レモンに続く「小田原産」梅酎ハイ 地域の新たな土産に

 神奈川県小田原市の曽我梅林で栽培された梅の果汁とピューレを使った酎ハイが商品化され、神奈川、静岡、山梨の3県で販売されている。大手酒造会社が手掛け、大きな反響があった小田原産レモンの酎ハイに続く第2弾。この2種をセット販売する工夫も凝らし、新たな観光客向けの土産としても期待されている。

 宝酒造(京都市)が商品化したのは「『寶(たから)CRAFT(クラフト)』〈小田原うめ〉」。使用した品種「白加賀」は実が青い状態で収穫されるため、爽やかな風味が特徴という。

 発売日の11月13日に市役所であった会見で、宝酒造西関東支社の柴田栄晴副支社長は「梅みそをつける小田原おでんなど練り製品に合う商品」と自信を見せる。缶酎ハイは価格競争にさらされているが、品質に見合った値段を設定。瓶入りにすることで高級感を増し、飲食店などでも扱いやすくしている。

 小田原産の梅は、市を代表する伝統的な農作物。JAかながわ西湘営農部の鈴木一正部長によると、大粒で手もぎによる品質に定評があり、料亭では季節ものとして重用され「青いダイヤ」とも呼ばれるという。栽培農家は256戸で、梅干し用に198トン、梅酒用に112トンが収穫・出荷されている。今回の商品化に際しては、3トン分の梅が使われた。

 アルコール分8%、果汁2%で甘くない仕上がりに、会見に同席した市梅研究会の星野和夫会長は「口当たりが良い」と太鼓判を押す。「ラベルに曽我梅林の名も記され、いいPRになる。多くの人に薦めたい」と商品化を喜んだ。

 宝酒造は、小田原産レモンの果汁を使用した「『寶CRAFT』〈小田原レモン〉」を今年3月に発売。20万本が売れるヒット商品になった。仲介した小田原柑橘(かんきつ)倶楽部の石井久喜社長は「次も考えている」と述べ、農家支援を拡大する構えだ。

 小田原うめの酎ハイは330ミリリットルで250円(税抜き)。レモン酎ハイとのセットで500円(同)。問い合わせは宝ホールディングスお客様相談室電話075(241)5111。

宝酒造が発売する「寶CRAFT」小田原うめ(左)と、小田原レモンを組み合わせたギフトセット

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