豊田通商、衛星システムを自動運転に活用 豪州で実証実験、物流の課題解決へ

 豊田通商は、豪州で準天頂衛星システムを活用した自動運転事業を実用化するための実証実験を、今月から開始した。経済産業省の平成30年度「衛星データ統合活用実証事業」採択案件。日本のシステムと高精度3D地図データを活用することで、アジア・オセアニア地区での物流面の課題を現地企業とともに解決させたい考え。

 この取り組みは、日本版GPSといわれる準天頂衛星システム「みちびき」(高精度な衛星測位が可能)を活用し、衛星から得られるデータと地上データを組み合わせ、産業競争力強化につなげようというもの。「みちびき」を使えば、産業用、民生用ともに高精度測位の需要拡大が期待されている。

 実証実験では、衛星データである「みちびき」「MADOCA」と地上データである「高精度3D地図」を自動運転車へ適用し、走行車両のデータの収集・解析などを行って統合管制システムとし、自動運転車の新たなビジネスモデルの構築するもの。

 実証事業期間は今年8月から2019年2月(予定)、実証地は豪州ビクトリア州アルトナノース市(メルボルン市近郊)。

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