今月8日に2018シーズンの全日程を終了したJリーグ。
残すは18日(火)に横浜アリーナで開催される「Jリーグアウォーズ」のみとなっているが、13日にはそれに先駆けて「ベストヤングプレーヤー賞」が発表され、鹿島アントラーズのMF安部裕葵(19)が選ばれた。
その年に最も活躍した若手選手に贈られる「ベストヤングプレーヤー賞」。もともとは「新人王」だったが2010年から選考基準がかわり、現行の名称へと変更された。
新人だった昨年にもJ1、ルヴァン杯、天皇杯でゴールした安部はプロ2年目の今季、J1で22試合2得点1アシストを記録。ルヴァンカップでMVPとニューヒーロー賞をW受賞した杉岡大暉(湘南ベルマーレ)らを抑え、鹿島では柳沢敦、柴崎岳、カイオに続いて4人目となる栄冠を手にした。
171cmと小柄だが、中島翔哉をよりドリブルに特化したような選手で、とにかく見ていて小気味いい。憧れはベルギー代表MFエデン・アザール(チェルシー)だそうだが、昨年にはそのアザールを彷彿とさせるプレーを見せたことがあった。
こちらは昨年7月、J1のサマーブレイクを利用し開催された「明治安田生命Jリーグワールドチャレンジ2017」。
鹿島はスペインの強豪セビージャと対戦したのだが、この試合でプロ1年目、当時18歳の安部が披露したプレーは鮮烈だった。
中央でボールを受けた安部は、華麗なターンと俊敏なドリブルでセビージャの3選手を翻弄し、鈴木優磨のゴールを演出したのだ(0:50から)。
特に最初にかわしたのはスティヴン・エンゾンジ。今夏のワールドカップで優勝したフランス代表の一人で、攻撃の芽を摘むことに関しては世界屈指とされる大型MFである。
彼は今夏およそ33億円でローマへ移籍したが、そんな相手をプロ入り間もない選手が翻弄するとは…。
安部は今年、鹿島のACL初制覇に貢献した他、AFC U-19選手権で日本の「10番」を背負い、4強入りの原動力となった。来年はU-20ワールドカップも控えるが、ブラジルで開催されるコパ・アメリカへの出場も期待したいところだろう。
しかしその前に、15日からはUAEで開催中のクラブワールドカップに鹿島の一員として参戦する。準々決勝のチバス・グアダラハラ戦に勝利すれば準決勝でレアル・マドリーとの対戦も実現するが、2016年大会で柴崎がしたように世界を驚かせてほしいものだ。