ダイバーとのいい話

 那覇ふ頭三重城小船溜(だまり)、通称「三重城漁港」は、以前はごみ問題に悩まされていた釣りポイントだが、有料化してからはごみの問題もほとんどなくなり、南部の人気ポイントの一つとなっている。日中にカーエーが釣れ、アーガイやその他の魚も釣れているという情報が入り、3日午前8時に現場を訪れた。

 現場に到着すると、釣りの準備をしている途中に誤ってリールを2個海中に落としてしまった釣り人に出会った。そのうちの1個は買ったばかりで諦めがつかない様子。守衛の方に相談したら、通りがかりのダイバーさんに段取りをしてくれて、そのダイバーさんは快くリールの回収を引き受けてくれた。

 5メートルほどの海底に潜るとすぐに2個のリールを回収し、お礼も受け取らずに立ち去った。釣り人のマナーが問われ、ともすると敵対する釣り人とダイバー、そして施設の管理人だが、目の前で起こった出来事に心が和まされて取材再開。

 好天の下、フカセ釣りではアーガイやオーバチャー、シャクチやグルクマー、マーエーなどがコンスタントに釣れ、本命のカーエーも2匹釣れた。カゴ釣りでは前述の魚以外に中型のタマンまで釣れた。釣果もさることながら、そこで釣りをしていた常連たちのマナーを守って釣りを楽しむ姿に、すがすがしい気持ちで取材を終えることができた。

 (おきなわ釣王国社・仲栄真修)

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