宇久島をアピール 地元高3 特集15ページを編集

 長崎県佐世保市の離島、宇久島の県立宇久高(石山雅晴校長)の3年生が、島の魅力をテーマに制作した特集記事が全国の離島をPRする専門雑誌に掲載され、全国で販売されている。釣りや食べ物、祭り、美しい風景-。生まれ育った宇久島の好きなところを15ページにまとめた。生徒は「ほかの島にはない宇久の良さを知ってほしい」と呼び掛けている。
 島の専門雑誌「島へ。」を隔月で出版する海風舎(東京)と、海に関する教育活動に取り組む一般社団法人「3710Lab(みなとラボ)」(宮城)が共同で企画した。生徒らは4月から、プロの編集者とワークショップや編集会議に参加。特集の内容やレイアウトについて話し合い、夏休みを利用して島民への取材や写真撮影を続けてきた。
 「島外の人が知らない宇久の自然を知ってほしい」。宮﨑風香さん(18)と辻まことさん(18)の2人は、海水浴場や菜の花畑など“インスタ映えスポット”を地図と写真でPRするページを担当。このうち、男子中高生の遊び場として人気の港「高瀬」では、躍動感がある写真にするために自らモデルになり何度も海に飛び込んだ。宮﨑さんは「泳ぎは苦手だったが、どんな場所かを伝えるために構図にこだわった」と苦笑い。辻さんは「見た人が遊びに来てくれたら、作ったかいがある」と笑みをこぼした。
 竹村太斗さん(18)は趣味の釣りをテーマに。季節ごとに水揚げされる魚の種類について、漁協の関係者に取材した。地続きの磯から大物のクエが釣れることや、魚ごとに狙い目の釣り場や時間帯を詳しく紹介。釣りの名所としての魅力をまとめた。「数字などの情報を曖昧にせず、具体的に聞き取ることが難しかった」と竹村さん。「釣り場はほかの島にはない優れているところ。少子高齢化が進む島をどうしたら元気にできるか、考える機会になった」と充実感をにじませた。
 特集記事を掲載した「島へ。」12月号は海風舎のホームページかファクス(03・3518・8842)で購入できる。問い合わせは海風舎(電03・5283・8019)。

「宇久の魅力を知ってほしい」と呼び掛ける生徒ら=佐世保市宇久町、県立宇久高

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