鹿島と対戦!「チバスの知っておくべき5つのこと」

いよいよ今夜、クラブワールドカップ2018に日本の鹿島アントラーズが登場!準々決勝で北中米カリブ王者のチバス・グアダラハラ(メキシコ)と対戦する。

クラブワールドカップのメキシコ勢といえばクラブ・アメリカ、パチューカ、モンテレイが思い浮かぶが、チバスはこれが初出場となる。彼らは一体どんなクラブなのだろうか?

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国民に愛されるクラブ

チバスはメキシコ国民から最も愛されるクラブであり、過去の統計では人口の28%にあたる約3500万人がファンであるという。

国内リーグの優勝回数12は宿敵クラブ・アメリカと並んで最多。2部に降格したことがなく、国際舞台でも北中米を2度制覇し、ゲスト参加したコパ・リベルタドーレスで2005、2006年と2年連続でベスト4に入った実績も。

近年メキシコ国外で最も成功した選手であるチチャリートはチバス生え抜きの選手で、カルロス・ベラもアーセナルに引き抜かれる前はチバスに在籍していた。

チバスは正式名ではなく愛称

クラブの正式な名称はクルブ・デポルティボ・グアダラハラ(Club Deportivo Guadalajara)、実はチバス(Chivas)の文字はどこにもない。

スペイン語で「山羊」(ヤギ)を意味するチバ(Chiva)は彼らの愛称で、それが通称としても使用されるようになった。クラブ公式サイトのURLにもchivasの文字が使われているが、さすがにFIFAの公式では「CDグアダラハラ」表記となっている。

なお、過去アメリカのMLSにチバスUSAというチームが存在し、元日本代表DF加地亮が在籍したが、彼らは同じオーナーが所有するチームである。

希少な純血主義

チバスは現代のサッカー界では希少となった「純血主義」のクラブである。

1906年に創設されたクラブには当初こそ複数の国の選手がプレーしていたものの、2年後、外国人への排斥運動が起こったことをきっかけに「メキシコ人だけしか獲得しない」ということを決定。このルールは100年以上が経過した今日でも守られている。

サッカー界における「純血」というとスペインのアスレティック・ビルバオが思い出されるが、彼らは近年バスクに何らかの形で関わる人間であれば幅広く受け入れている。

その意味でチバスはこのグローバル化が進んだ世界においてひと際珍しい「純血」チームであり、もしかするとトップレベルとしては唯一無二の存在といえるかもしれない。

監督の現役時代がすごかった

純血主義を貫くチバスであるが、選手以外に特に制限はない。

数年前にはオランダ代表とサッカー界のレジェンド、故ヨハン・クライフ氏が相談役を務めており、今年、クラブを56年ぶりに北中米王者へと導いたのは元アルゼンチン代表MFマティアス・アルメイダ監督である。

現在のホセ・カルドーソ監督はパラグアイ人。彼は現役時代300ゴール以上を記録した偉大なストライカーで、年間58ゴールを記録したことも。パラグアイ代表ではあの“超イケメン”ロケ・サンタクルスと2トップを組んだが、勝負強さと決定力は遥かに凌駕していた。

そんな典型的なFWとしては珍しく指導者としても成功を収めており、今回のクラブワールドカップは彼にとっても大きなアピールの舞台となるだろう。

映画の主役のようなFWがいる

2014年ワールドカップにメキシコ代表として出場したアラン・プリード。

先月のアルゼンチン代表戦にも出場した27歳のFWは過去、誘拐事件に巻き込まれた経験を持つ。2年前の2016年、地元で行われたパーティからの帰り道に武装集団からの襲撃に遭い、車から降ろされた上で拉致されたのである。

ワールドカップ選手の誘拐という事件は当時世界的なニュースとなり、メキシコは特殊部隊を組織して解決を図った。

しかし事件は意外な結末を迎える。なんと拉致されたプリードは見張り役の男から銃を奪うと、相手を銃撃。その後、窓ガラスを割って見事に脱出に成功したのである。

まるで映画の主人公の話のようだがこれは実話である。今回、彼は怪我で出場を危ぶまれているが果たして…。

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