第七十五回「永遠に未完成」

よく女の子や女の人がキレイになった時に「恋しているの?」「いいヒトできたの?」みたいに言う男性、本当に死ねと思います。どうも浜崎です。

なんでキレイになったきっかけが男性にあると思うんでしょうかね? ちょっと傲慢すぎやしませんか? と思うのです。おそらく、その女の子は少なからずそういうことを言うあなたのことは好きではないと思います!

また男性に対して辛辣な発言をしてしまいました。このコラムを毎月読んでくださっている素敵なあなたは薄々感づいていらっしゃると思いますが、私、いわゆるフェミニストなんだろうなと自覚しております。

というか、私自身が「女」として異性から見られることを極端に嫌がる傾向があるな、と思っております。性別で人間を見分けないでほしい、という気持ちが強いため、少々フェミっぽい発言をしてしまうことが多いのですが、それは女性の解放を! とか、LGBTが! とか女性の権利を高らかに主張したいわけではなく、単純に「人は人、自分は自分」と思って見てほしいな、性別で分けずに人間として対等に見てほしいな、という気持ちがほんの少し強いだけなのです。

なんというか、幼い頃からどうして性別は男性と女性の二種類だけなんだろう? と疑問に思っていました。どうもそれだけじゃないっぽい感じが自分の中であったからです。ただ人間の形だけで大雑把に二種類に分けられているけど、人間の数だけ性別があるような気がなんとなくしていました。

で、その違和感を抱えながら特にそれについて深く考えることなく生きてきましたが、やっぱりその違和感はずっと拭えないし、それどころがどんどん自分の中で大きくなっていって、「もう、女だからとかそういうのいい加減にしてくれ! 性別に関係なく一個人として見てくれ! 普通に生活させてくれ!」と思うようになり、またそういう気持ちを抱えている女性が周りにすごーく多いことも知りました。当然ながら逆も然りだと思っています。

たとえばですが、私、一応ミュージシャンなので、作曲や編曲もやっていますが、それについて「女なのに宅録できるの凄いね」と言われることが多々あります。驚くべき発言ですが、本当に普通に言われます。これも女の人は機械が苦手という先入観から来ているんだろうなと感じています。

少し話を戻しますが、「フェミニストってなぁに?」という人のために私が代わってY×hoo!にて検索をかけてみました。すると予測変換が「フェミニスト 頭おかしい」「フェミニスト ブス」「フェミニスト 反対」などなど、ひっどい予測変換が出てきて爆笑してしまいました。

フェミニストに限らず、何らかの主張が強くなればなるほど厄介者扱いされたり、過激派扱いされてマイナスイメージが強くなりますよね。まったく性別と関係ないですがビーガンとかもそうだろうな、と思い検索をかけるとやはり「ビーガン 危険」が一番上に来ました。

このように人は何となくしか知らないもの、よく知らないけど言葉は聞いたことあるな〜程度のものに対して一番最初にネガティヴなイメージを抱きがちだなと思うのです。

自分の想像の域を出ないものに対して攻撃的になってしまう、というか自分がそれをよく知らないという事実に対して無意識の恥ずかしさが発動して抵抗してしまうのか?

人間の心理というものはまだまだ分からないことだらけです。

私は「知らない」ということはまったく恥ずかしいことではないと思っています。

なぜなら世の中、自分の知らないことだらけだからです。すべてを知っている人なんて存在しないし、私も音楽の仕事以外のことはなーんにも知りませんし、専門である音楽も全部のことは知らないし(より知りたいと努力はしているけれども、世界中のあらゆる音楽を知ったり聴くことは物理的に無理だと思う)、つまり人間は永遠に未完成のままだと思っています。

永遠に未完成って、カッコ良くないですか? 中二病をくすぐるワード書いちゃったなぁって自画自賛。死ぬまで成長し続けることができるんですよ、死ぬまで伸びしろがあるって凄いことだなって思うのです。これからも「知らない」を積極的に発言して、未知なる世界を見つけていきませんか。

しかしながら、かなり矛盾したことを申し上げますが、無知が罪な場合もあると思います。人を傷つけてしまうようなことに対して「知らない」は良くないな、と思うのです。誰かが傷ついているのに見て見ぬふり、してませんか。その無知は確かに恥ずかしいですよ。

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