神奈川県の箱根町議会は14日の本会議で、議員提案された、無許可のタクシー営業「白タク行為」への対策強化や、ライドシェア(相乗り)導入についての慎重な検討を国などに求める意見書を全会一致で可決した。
意見書では「近年、白タク行為が横行しており、常態化することで、タクシー事業ばかりでなく、地域経済に深刻な影響を与える」などと指摘。明白な道路運送法違反である白タク行為に対して、さらに対策を強化することを求めた。
また、政府が導入を検討中のライドシェアについても「タクシーの安全性やサービス水準を一層向上させることを目的に施行された改正タクシー特措法の意義を損なうことが危惧される」などとし、慎重な対応を要望した。
白タクを巡っては、昨年12月に自家用車に外国人観光客5人を乗せて東京都と神奈川県内を往復して現金を受け取ったとして、警視庁が道路運送法違反の疑いで中国人を逮捕した。都内のホテルから箱根町に向かい、芦ノ湖や箱根神社などを案内し羽田空港まで送り届けていたという。
県タクシー協会小田原支部の曽我良成支部長は「お膝元として意見書は非常にありがたい。白タク行為に対する世論の関心が高まれば」と期待を寄せた。