手稲山|アンテナが目印!オリンピック会場にもなった山スキー発祥の地 北海道札幌から約40分。遠くからでもわかる山頂のアンテナが目印の手稲山は、オリンピック札幌大会の会場にもなり山スキー発祥の地ともいわれる山。今でも冬には多くのスキーヤーで賑わいます。初心者でも気軽に散策できる山ですが、その山容からは想像できない傾斜のあるガレ場が名物!今回はそのガレ場を通る平和の滝コース、さらにスキー場側から登る北尾根コースについて紹介します。一緒に行きたいグルメ情報も要チェック!

手稲山(ていねやま)とは?

  • 標高: 1,023.1m
  • 山頂所在地: 北海道札幌市手稲区・西区
  • 最高気温(6月-8月): 19.9℃
  • 最低気温(6月-8月): 5.8℃

参考:ヤマレコ
手稲山は札幌市の西側15kmにある山で、テレビアンテナがたくさん立っていることでも目立つ山。札幌市では標高にちなんだ10月23日を手稲山の日と制定するほど親しまれています。山名は麓が湿地帯だったことから、アイヌ語で「濡れている所」を意味する言葉から由来していますが、元々は南斜面の断崖を表す「タンネウエンシリ(長い・悪い・崖)」と呼ばれていました。

街を一望!山頂からの絶景

手稲山山頂付近からの眺めは絶景!海岸線がはっきりと見え、石狩市内から石狩湾を一望できます。山に登って海まで見渡せるととても気持ちが良いですよね。メインコース途中にあるケルン周辺からは、札幌市も一望できます。

山頂からは360度の大パノラマが広がり、札幌周辺にある多くの山を見渡すことができる絶景スポット。特異な岩峰を持つ、通称『定天』と呼ばれている定山渓天狗山をはじめ、藻岩山や羊蹄山、天気が良ければ、遠くに夕張岳や大雪山もとらえることができます。

日本で最初の西欧風山小屋「パラダイスヒュッテ」

手稲山は北海道の山スキー発祥の地と言われています。1926年、この地に日本初のスキーヒュッテとして、スイス人建築家マックス・ヒンデルの設計により建設されたのが、このパラダイスヒュッテです。老朽化のため閉鎖されましたが、有志によって1994年に忠実に復元されました。

【注意!】札幌市内の手稲山でもヒグマが

札幌市内から近い手稲山でもヒグマの目撃情報が多数寄せられています。必ず最新情報をチェックし、登山の際には熊鈴やスプレーなど対策をしていきましょう。

手稲山のヒグマ目撃情報

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登る前には必ず天気をチェック!

初心者でも楽しめる手稲山ですが、沢沿いを歩いたりと夏でも涼しいことが。事前に必ず天気を調べましょう!

てんきとくらす(手稲山の週間天気)

季節に合わせて様々な表情を持つ手稲山

手稲山は夏の登山だけではなく、季節ごとに楽しめる山。秋の紅葉はもちろんですが、冬にも違った形で楽しみがあります。また、春にはおすすめの散歩コースも!

赤・黄色に輝く秋の紅葉

手稲山の紅葉の見ごろは10月初旬から中旬にかけて。最初にツタウルシが赤く染まり、ダケカンバやカエデが次々に紅葉していきます。ガレ場では岩と紅葉の美しい景色を見ることができます。

スキー客で賑わう冬の手稲山

手稲山は1972年にアジア初の冬季オリンピック会場にもなったスキー場があり、冬にはスキーを楽しむ人で賑わいます。スキーを滑りながら石狩市内や石狩湾の海の眺めも楽しめるんです。

手稲山中腹のスキー場にはオリンピックのときに建てられた聖火台が残っています。これは家庭用品「柳宗理デザインシリーズ」でも有名な柳宗理氏のデザインしたもので、天に向かって伸びる姿が美しい!

【番外編】春は手稲山近くの津川緑地へ

手稲駅から徒歩で25分ほどの軽川河川敷に広がる軽川緑地は、春には桜が美しい場所で「軽川桜づつみ」として親しまれているお花見スポット。毎年5月上旬~中旬にかけて河川敷がピンクに染まる見事な風景が広がり、手稲山も一緒に見られます。

【メインルート】平和の滝~手稲山ルート

手稲山へのメインルートは札幌西区側から登るルート。山頂まではこのルートでしか登ることができません。変化に富んだ登山道を楽しみながら山頂を目指します。

  • 距離: 11km
  • コースタイム: 4時間30分
  • 日程: 日帰り
  • 難易度: ★★☆☆☆

参考:札幌市
平和の滝入口(60分)→布敷の滝(100分)→手稲山(60分)→布敷の滝(50分)→平和の滝入口

平和の滝そばには太平和寺があり、登山口は札幌市自然歩道の看板がある社務所の脇を入っていきます。しばらくは傾斜がゆるく幅の広い遊歩道でとても歩きやすい登山道です。
自然歩道の1km地点の看板を過ぎると、左手に砂防ダムが。このあたりからは道幅も細くなり、いくつか小さい橋を渡っていきます。

登山口から約3kmの地点にある布敷の滝。岩肌を水が流れる美しい滝で、滝の手前にはベンチもあります。ここを過ぎると急傾斜の登りが始まるので休憩ポイントにおすすめ!

滝を過ぎて琴似発寒川を離れるといったん傾斜が緩やかになりますが、その後手稲山の名物、ガレ場が始まります。大きな岩がゴロゴロしていて浮石もあるので特に下山時は要注意。登山道は岩に書かれた赤い矢印を目標に進みます。

樹林帯でもガレ場は続き、登りきるとケルンのある尾根に出ます。南東方向の眺めが良く、札幌市内や神威岳などの山々、天気が良ければ恵庭岳や羊蹄山なども見ることができます。

ケルンを過ぎると登山道は終わり、アスファルトの道路を歩いて山頂に向かいます。山頂には手稲神社の奥宮があり、あまり広くはありませんがお弁当を食べられるようなスペースがあります。

山頂からは南西方向の展望が特に良く、石狩湾や石狩市内や手稲区が眼下に広がります。他にも定山渓天狗岳や羊蹄山、無意根山など、多くの山が一望できます。

登山口(平和の滝)へのアクセス方法

手稲山の登山口である平和の滝へはバスで行く方法もありますが、バス停から距離があるので車がおすすめ。

【車の場合】
札幌駅→道道124号→平和の滝

【電車・バスの場合】
地下鉄東西線琴似駅→JR北海道バス 平和の滝入口下車

JR北海道バス 時刻表

平和の滝 駐車場

平和の滝は琴似発寒川にある落差10mほどの滝。駐車場から少し階段を上がると見える気軽さもあって、観光地としても広く知られています。

【駐車場情報】
住所:北海道札幌市西区平和435
料金:無料

【冬はスキー場に】乙女の滝・北尾根ルート

平和の滝側とは反対側にも手稲山散策コースがありますが、実は手稲山は大部分が私有地。こちら側から山頂へ行くコースはありません。市で管理している自然歩道以外にも山頂へ行ける道があるようですが、私有地に立ち入っている可能性が非常に高いため注意しましょう。山頂に行く場合は平和の滝側から登ってください。

  • 距離: 約12.2km
  • コースタイム: 約4時間20分
  • 日程: 日帰り
  • 難易度: ★★☆☆☆

参考:ヤマプラ
金山入口(50分)→滝の沢(40分)→男子大回転ゴール跡 (30分)→パラダイスヒュッテ前(30分)→分岐点(80分)→手稲本町入口

自然歩道の看板がある金山入口からスタート。渓流沿いの登山道を歩き、時間に余裕があれば乙女の滝にも立ち寄ることができます。ゆるやかで気持ちの良い遊歩道ですが、熊出没情報があるので熊対策をして行きましょう。いったん林道に出て、再び登山道となりいくつか小さな橋を渡ります。
沢の滝を過ぎてしばらくすると道が少し広くなっている場所がありますが、そこが男子大回転のゴール地点跡。このあたりからぬかるんだ平たんな登山道になり、山小屋パラダイスヒュッテを通ります。

ヒュッテを過ぎるとゲートがあり、車道を歩くとハイランドスキー場のロープウェイ山麓駅。さらに進んで手稲研修付近の手稲本町入口標識から再び登山道へ入っていきます。

ゆるやかな登山道を歩いて、草が一部刈りはらわれている見晴台へ。ここからは急斜面の登山道を下っていきます。

木漏れ日が気持ちの良い登山道を歩き、沢沿いに出て、木でできた小さな橋を何度も渡りながら下って手稲本町入口へ。熊の他、入口から3.5kmの地点には蜂の巣がある可能性があるので注意しましょう。

山口(金山口)へのアクセス方法

金山入口へのアクセス方法です。星置駅から約2kmで、駐車スペースは広くないものの停められないことはないでしょう。

【車の場合】
札幌駅→札幌自動車道 手稲IC→金山口

【電車・バスの場合】
JRバス札幌駅 手稲駅南口発57→手稲鉱山下車→自然歩道入口まで徒歩10分

登山口(手稲本町入口)へのアクセス方法

手稲本町入口へのアクセス方法です。バスでも距離があるので車がおすすめです。

【車の場合】
札幌駅→札幌自動車道 手稲IC→手稲本町入口

【電車・バスの場合】
手稲駅南口→札幌稲雲高校裏自然歩道まで徒歩20分

一緒に楽しむ絶品グルメ!

北海道と言えば楽しみたいのが絶品グルメ。手稲山からアクセスの良い札幌には美味しいお店がたくさんありますが、ここでは北海道ならではのグルメをご紹介します。

歩いた後は肉!ジンギスカンの名店

【成吉思汗 だるま 本店】

毎日届く新鮮な生マトンを特製のタレで食べる人気店。女将さんのおもてなしにも心温まるお店で疲れも吹き飛びます。自家製のキムチも必食。

住所:北海道札幌市中央区南五条西4 クリスタルビル1F
電話番号:011-552-6013
定休日:無給(年末年始12/31~1/2は休業)
営業時間:17時~翌3時
最寄り駅:地下鉄南北線 すすきの駅 徒歩6分

冷えた身体にはあったかラーメン

【らーめん信玄 南6条店】

本店は石狩市にある人気のラーメンを札幌で味わえるのがらーめん信玄の南6条店。豚骨と野菜を2日以上煮込んで作る旨みたっぷりのチンタンスープをベースにした味噌ラーメンが人気。

住所:北海道札幌市中央区南六条西8
電話番号:011-530-5002
定休日:無休
営業時間:11時半~翌1時
最寄り駅:市電東本願寺前より徒歩2分

刺激的なスパイスが香るスープカレー

【スープカリー Yellow】

豚骨、鶏ガラ、香味野菜を高圧釜で抽出しさらに魚介だしをブレンドした他にはない味わいのスープカレー。お店一番人気はチキン野菜カレーで、他にも炙りチャーシューとオクラや豚角煮カレーなどメニューが豊富。

住所:北海道札幌市中央区南3条西1-12-19 エルムビル1F
電話番号:011-242-7333
定休日:無休(12月31日、1月1日以外)
営業時間:11時半~22時(スープが売り切れ次第終了)
最寄り駅:東豊線豊水すすきの駅から徒歩約1分

絶対外せない海鮮は新鮮な市場で!

【二条市場】

札幌の中心部から徒歩圏内にある市場で、新鮮な海の幸をその場で楽しむことができます。お寿司や海鮮丼だけではなく、焼き魚も美味しい。北海道産のアスパラやメロンなど野菜・果物のお店も並んでいます。

住所: 札幌市中央区南3条東1丁目〜東2丁目
電話番号:011-222-5308
定休日:店舗により異なる
営業時間:7時~18時、飲食店街 6時~21時(店舗により異なる)
最寄り駅:地下鉄東西線「バスセンター前」より徒歩3分

手稲山は近くて楽しい山

(手稲山から石狩湾の方面)

札幌からアクセスしやすいので気軽に登れる手稲山。山頂近くのガレ場には注意が必要ですが、眺めが良くダイナミックな景色を見ることができます。ゆるやかな自然歩道、沢沿いの道や滝、変化に富んだ登山道で飽きることがありません。北海道のグルメとあわせて楽しんでください!

【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。(足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。)
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。

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