メルセデス流“EQ POWER”のプラグイン、『S560e ロング』を追加設定

 メルセデスの電動化戦略を示す新呼称“EQ POWER”の名を冠した新たなプラグイン・ハイブリッド・モデルが『メルセデス・ベンツ Sクラス』に追加設定され、エンジンとモーターの出力向上を果たした上で13.5kWhの大容量リチウムイオンバッテリーを搭載。等価EVレンジを40.1kmにまで伸ばした『S560e ロング』が、12月13日から発売開始となっている。

 いよいよモデル末期となり熟成の領域に差し掛かってきた現行W222型『メルセデス・ベンツ Sクラス』は、直近にも直列6気筒ガソリン直噴ターボにISGをドッキングしたハイブリッドや、新型6気筒ディーゼル+ハイブリッドの改良型パワートレインを続々投入するなど、さらなる進化を求めて攻勢を続けている。

 そのSクラスに今回追加設定されたのは、こちらも新型となるPHEV(プラグイン・ハイブリッド)を搭載する新グレードで、エンジンとモーターの出力向上とともにリチウムイオンバッテリーの蓄電容量も大幅に向上させ、等価EVレンジ40.1kmを達成するなど先代モデルに相当する『S550e ロング』に対しても、プラグイン・ハイブリッドとしての使い勝手を向上させている。

 従来からの発展継承となるM276の3リッターV型6気筒直噴ターボは、エンジン単体で367PS/500Nmの充分なアウトプットを確保。その上で、90kW(122PS)/440Nmにパワーアップしたモーターを組み合わせることで、システム総合出力は476PS/700Nmという強力な心臓部となっている。

 またPHEV独自の強みとして、130km/hまではモーターのみでの走行が可能となっており、パワフルでスムーズな加速を実現する電気自動車としての使用にも耐えるモデルとなる。

モデル末期となり熟成の領域に差し掛かってきた現行W222型『メルセデス・ベンツ Sクラス』に新PHEVを追加
“EQ POWER”システムは、3リッターV型6気筒直噴ターボに90kW(122PS)、440Nmにパワーアップしたモーターを組み合わせる

 その出力を支えるバッテリーには、ダイムラー社の完全子会社であるDeutsche ACCUMOTIVEによって生産された13.5kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。『S550eロング』の8.7kWhに対して約55%の容量増となっていながら小型化されたこのバッテリーは、今後複数のモデルに搭載することを前提として設計されている。

 また、車体側の充電器と設置工事費10万円分を含めた無料キャンペーンで提供される自宅用の充電用ウォールユニットが200V・30A(6.0kW)充電に対応可能となったことで、充電にかかる時間も大幅に短縮された。

 メルセデスがEQ POWERシステムと名付けられたこのパワートレインには、その使用領域によりパワーパックの出力源を使い分けることが可能なインテリジェントアクセルペダルも採用され、ふたつの重要な機能を搭載。

 プレッシャポイント機能は、EV走行モードの際に、これ以上アクセルを踏むとエンジンも使用しなければならないというモーター走行の限界点でアクセルペダルの抵抗を増してドライバーに知らせることにより、無駄なエネルギーの消費を抑えるドライビングを実現する。

 さらにダブルパルス機能は、ディスタンスアシスト・ディストロニック同様レーダーで先行車両との車間距離と速度差を計測し、ドライバーが不要な加速操作を行っている場合、アクセルペダルに2回のノックパルスを発生させて知らせ、不要なアクセルワークを防ぐなど先進の機能が盛り込まれている。

 左右ハンドルが用意され、新車購入から3年間走行距離無制限の「メルセデス・ケア」に加え、リチウムイオンバッテリーをはじめとするすべての部品に4年間の特別延長保証を適用し合計7年保証も付帯する『S560e ロング』の価格は、1697万円となっている。

ドライブモードには5つの走行パターンを用意し、そのいずれでもモーターアシストを行う設定となっている
メーター内にはEQ POWER専用の表示モードも追加したほか、乗車前の空調操作が可能なプリエントリークライメート機能も備えた

メルセデスコール:0120-190-610
メルセデス・ベンツ日本ウェブサイト:http://www.mercedes-benz.co.jp

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