7日、Jリーグから「2018Jリーグ優秀選手賞」30名が発表された。
Jリーグアウォーズでは、これらの30名の中から最優秀選手賞とベストイレブンが発表されることになるが、それに先立って今回は2018年の最優秀選手賞筆頭候補を紹介する。
この1年最も活躍した選手は誰か。優勝チームの中から選出されやすいという点を加味して予想した。
中村憲剛(川崎フロンターレ)
川崎のバンディエラは38歳を迎えたシーズンも輝きを放った。
J1初タイトルを手にした昨シーズンに続いて今シーズンもキャンプから好調を維持し、リーグ戦33試合に出場。開幕戦の先制弾でチームに勢いをもたらすと、シーズンを通して昨年と並ぶ6得点を記録し、チームを連覇に導いた。
コンディションを考慮して夏場に出場時間をセーブしたため、終盤戦もキレをキープ。プレー自体には衰えが全く見られず、一撃必殺のスルーパスも健在で、チームの中心であり続けた。
試合の状況を読んだゲームコントロールは円熟味を増しており、今後の日本代表を支える存在である大島僚太や守田英正の良い手本となっている。
今年の最優秀選手賞を獲得すれば2年ぶり2回目の受賞となり、通算2度の受賞は2013年の中村俊輔以来となる史上2人目ということになる。
谷口彰悟(川崎フロンターレ)
4年連続のリーグ戦全試合出場で、フルタイム出場は2年連続となる。
年間を通して最終ラインに安定感をもたらし、チームのリーグ連覇とJ1リーグ初となる最多得点と最少失点の同時達成に大きく貢献した。
身長183㎝はセンターバックとしては決して大きくはないが、屈強なフォワードに対して競り負けることなくハイボールを跳ね返す。
また、中盤もこなせるように足下の技術にも秀でており、最終ラインからのビルドアップはチームの生命線となっていた。
2年連続で川崎フロンターレのプレイヤーが最優秀選手に選ばれているが、一昨年は中盤の中村憲剛、昨年は前線の小林悠と続いており、今年は川崎の最終ラインから選出されても不思議ではない。
家長昭博(川崎フロンターレ)
この男の加入から川崎フロンターレの連覇は始まった。
今シーズンはリーグ戦31試合に先発出場し、いずれも昨シーズンを上回る6ゴール7アシストを記録。
テクニックやフィジカルはリーグトップクラスで、守備での貢献度も高く、2年連続のリーグ制覇の立役者の1人となった。
最終節のジュビロ磐田戦では、ロスタイムに相手の堅い守備ブロックを崩す見事な突破を披露して決勝点を演出。チームを劇的な逆転勝ちに導き、有終の美を飾った。
優秀選手賞は2度目で、自身初のJリーグベストイレブンに選出される可能性もある。
優勝を果たしたチーム内でMVPに推す声が最も多く、そういった選手が最優秀選手賞を獲得すべきではないか。
鈴木優磨(鹿島アントラーズ)
昨シーズンまでは試合終盤に投入されるジョーカーの役割を主に担っていたが、今シーズンは開幕からスタメンに定着。また、金崎夢生がサガン鳥栖に移籍した後半戦はエースとしてチームを引っ張った。
初ゴールを決めるまでに少し時間は要したが、その後はコンスタントに得点を記録し、最終的には11ゴール10アシストと文句の付けようのない結果を残した。
今シーズン2桁ゴール2桁アシストを記録したのは唯一で、その活躍は森保一日本代表監督にも届き、負傷の影響で辞退となったものの、代表にも初招集された。
近年はベテラン勢の受賞が続いているが、大ブレイクを果たした若き点取り屋が受賞すれば、Jリーグに新しい風が吹き込まれることになる。
パトリック(サンフレッチェ広島)
2016年に負った全治8ヶ月の重症の影響で近年はフルシーズンのプレーがなかったが、今シーズンは累積による出場停止の1試合を除き全ての試合で出場を果たした。
開幕から異常なペースで独走したサンフレッチェ広島の原動力となり、コンスタントにゴールをマーク。6試合で複数得点を記録し、特に中盤戦は手が止められない状態だった。
終わってみればキャリア最多の20ゴールで、チームのACL出場権獲得に大きく貢献した。
決して周りの助けに恵まれたわけではない。2トップの相方は最後まで固定されず、連携の構築に苦しんだことは20ゴールに対して自身のアシストが0だった事実が物語っている。
その分独力でのフィニッシュが多く、敵陣ゴール前での競り合いではほぼ無敵で、相手ディフェンダーを無効化していた。
それだけに終盤戦でゴールを奪えず、エースの不調に伴ってチームも大失速し、リーグ制覇と得点王を逃したことは非常に痛かった。中盤戦までならMVP筆頭であった。
Jリーグの年間表彰式「2018Jリーグアウォーズ」は本日18日に開催される。