高校生の陳情、秦野市議会採択 投票率改善へ「選挙教育」

 神奈川県秦野市議会は18日、本会議を開き、高校生を対象にした選挙教育の見直しや災害ボランティア団体の設立など、高校生が提出した陳情4件を全員賛成で採択した。同市議会で高校生による陳情の採択は初めて。

 

 採択された陳情は▽投票率向上に向け、動画などを用いた高校生の選挙教育の実施▽名産を使った飲食店など、市と丹沢を発信する施設の開設▽高校生有志による災害支援ボランティア団体設立▽中学生が下級生を支えることを学ぶ研修と交流の場の創設。

 

 このうち選挙教育については1月の市長選で低調だった若者の投票率を改善したい、ボランティア団体については地元で災害が発生した際に高校生の力を活用してほしいとの思いがそれぞれ込められている。

 

 市内在住・在学の生徒17人が5月から市の課題を話し合い、8月に市議会議場で初めて開催された高校生議会で議論。11月に報告書を市に提出し、このうち重要項目4点を陳情した。

 

 市議会事務局は高校生による陳情提出について「市政の活性化に向けて、高校生の思いを投げかけてもらう機会はなかったが、今回は市の取り組みに対して多くの人に目を向けてもらうきっかけになった」と話している。

高橋昌和市長(左)と阿蘇佳一市議会議長(右)に報告書を提出した高校生=先月27日、秦野市役所

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