台風の学生ヨット破損、県が支援方針 江の島の活動継続

 セーリング競技のワールドカップ(W杯)シリーズ江の島大会の開催に伴い、神奈川県の依頼で仮置き場に移動した大学生らの小型ヨット(ディンギー)が台風24号の影響で破損した問題で、県は18日の県議会国際文化観光・スポーツ常任委員会で、学生のセーリング活動継続を目的に金銭面も含めた支援を行う方針を明らかにした。

 W杯は9月9~16日に開催。大会参加艇の置き場を確保するため、県が学生らに常設場所からの移動を依頼し、艇の多くは道路を挟んだ「江の島かもめ駐車場」に設けられた仮置き場に留め置かれていた。

 10月1日午前に最大風速40メートル超を記録した台風24号の影響で、固定されていた艇が動いたり、ロープが切れたりし、県によると大学など14校の35艇が破損。学生らが補償を含めた対応を県に求めていた。

 県は、自然災害による被害のため「法的な責任はない」とするものの、学生のセーリング活動に支障が出ていることを重視。県が艇の移動を依頼したこと、セーリングの普及や来年のW杯などでも学生の協力が不可欠なこともあり、「応援する必要がある」と支援の方針を決めた。

 具体的にどんな支援を行うかや、時期などは未定。今後は学生らと個別に会って被害状況などを聞き取るという。県は「セーリング界では学生の活動が重要。それを継続するのにふさわしい手法を探りたい」とし、できるだけ早く支援方法などを決めるとしている。

暴風を受け大きく破損した艇。同様の被害が相次いでいる=藤沢市の江の島ヨットハーバー

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