シッティングバレーボールの全日本強化選手で川崎市在住の田澤隼さん(25)=リクルート所属=が19日、慶応大日吉キャンパス(横浜市港北区)で教壇に立ち、パラスポーツの魅力や身近なバリアフリーについて語った。「体育学講義」の一環で、2020年に同キャンパスで英国パラリンピック代表チームが事前キャンプを行うこともあり、学生たちの機運を高めるため企画された。
青森県出身の田澤さんは19歳の時、リンゴ農園での作業事故で右太ももを切断した。それでも、「義足もあるし大丈夫」と持ち前の明るさで乗り切ると、元々プレーしていたバレーに似ているシッティングバレーに出合った。現在は日本代表の一員として世界の強豪たちと戦っている。
田澤さんは戦争で負傷した兵士がパラ大会に出場していることやシッティングバレーの魅力などを紹介。「障害がある、なしにかかわらず一つのスポーツとして捉えてもらいたい。素晴らしさや楽しさをもっと知ってほしい」と呼び掛けた。
聴講した同大2年の小杉優さん(20)は「五輪やパラリンピックが平和の祭典として定着していることが分かった。英国チームが地域で応援されるようにしたい」と話していた。