鋼製金型・産業用機械設備のホクテツ、溶接資格取得へ社員研修

 溶接技能者の育成がさまざまな分野で期待されている。コンクリート二次製品型枠・産業用機械設備製造のホクテツ(本社・上越市頸城区、社長・小山田幸雄氏)は11月、中堅から若手まで社員十数人がJIS溶接検定合格を目指し、上越テクノスクールで訓練を受講した。

 ホクテツではコンクリート二次製品の型枠製造ラインで高い溶接技能が求められる。

 (1)短時間で確実なスキルアップを図るため(2)JIS検定取得者を効率よく増やすため―等の理由から集団での訓練を上越テクノスクールに要望した。

 上越テクノスクール溶接科ではアーク溶接N―2F、半自動溶接SN―2F、ステンレス鋼溶接TN―Fの受験者に合わせ計3日間のコースを策定。

 「在職者向けオーダーメイド訓練」としてJIS溶接検定準備コースを立ち上げた。

 上越テクノスクールの清水亮専門指導員は「これだけ大人数の受講は珍しい。今回の受講は若手だけでなく、中堅社員にとっても溶接の教え方を学ぶまたとない機会となる。溶接作業は数値で置き換えが難しい感覚的な部分が製品のできを左右するだけに、疑問に思うことは何でも質問してほしい」と語る。

 清水氏は「次のステップはより専門的な技能の習熟。企業が自社の操業時間を割いて受講していただけるのはありがたい」と語る。

 訓練に参加した吉川洵氏(19)は半自動溶接を受験する。社内では型枠の溶接を担当。「溶接の基礎を学べる時間を確保してもらえ職場に戻ってからも役立つはず」と意気込む。

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