【平成の長崎】ツキノワグマすくすく成長 佐世保市亜熱帯動植物園 平成19(2007)年

 佐世保市亜熱帯動植物園(船越町)にツキノワグマの雄雌2匹の赤ちゃんが来て3カ月。職員の愛情をいっぱい受けてすくすく育ち、今では市民の人気者だ。
 長野県軽井沢町の住宅地に出没していた親グマが捕殺処分された後、巣穴で発見。生後約1週間だった。「環境保護の大切さと命の尊さを伝えるために」受け入れた。
 だが園にとって初の人工飼育。当初は園長室に専用の小屋を作り24時間態勢で世話をしていたが、大人のクマ舎そばに引っ越した。来園時約800グラムだった体重は9キロに。離乳食が始まり、つぶしたサツマイモやイチゴ、リンゴも食べる。
 飼育係の石井淳子さん(24)は「心配で眠れない日もあったけど、今は食事の量も多い。ここまで育ってくれ、ホッとしています」と“親心”。
 子グマは土、日曜日の午後1時から約30分、一般公開している。江頭光則園長は「多くの人が子グマを見て、人間と野生動物の共生の大切さを感じてくれれば」。名前が間もなく決まる。
(平成19年6月16日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

広場を元気いっぱいに走り回る2匹(左が雄)。職員たちに見守られすくすくと成長している
楽しみにしている夕方の「お散歩」。じゃれたり抱っこしてもらえるから。甘えん坊だ。
土、日曜日限定の一般公開。2匹を間近で見ようと大勢の親子連れでにぎわう
食事中も引っかき、かみつく。「じゃれているつもりでしょうが、かなり痛いです」

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