厳粛な舞 壱岐大大神楽を奉納 ライトアップやバンド演奏も

 約700年の歴史がある国の重要無形民俗文化財「壱岐神楽」の中でも最も厳粛な「大大神楽」が20日、長崎県壱岐市芦辺町の住吉神社で奉納された。13人の神職が35の演目を7時間以上にわたって舞い、笛や太鼓を演奏した。

 壱岐神楽の舞と演奏ができるのは神職だけ。剣の霊威をたたえ、災いをはらう「二剣」は、両手と口に3本の刀を持って舞う勇壮な姿に、訪れた人は目を見張った。赤い面をつけて舞う「猿田彦」も人気の演目の一つ。壱岐神楽の中で最も位が高い「八散供米(やちくま)」の最後には餅まきがあり、多くの人が御利益にあやかろうと餅を拾った。

 今年は若い人たちにも足を運んでもらおうと、壱岐大大神楽交流プロジェクト(実行委主催)の一環として境内をライトアップ。参道に竹あかりをともし幻想的な雰囲気を演出した。

 休憩時間には、神社の近くの住吉会館で、福岡の神社ガールズバンド「二刻(ふっこく)パラノイア」のミニライブもあり、大大神楽の拝観者ら約130人が楽しんだ。

 福岡市の会社員、野中正己さん(55)は「大大神楽は初めて見たが、厳かな雰囲気。ライトアップは幻想的で新鮮」と話した。

演目「猿田彦」を奉納する神職たち=壱岐市、住吉神社
ライトアップした境内

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