クラブW杯で“欧州行き”に近付いた4人のアタッカー

レアル・マドリーの3連覇で幕を閉じたクラブワールドカップ。

現時点では次回以降の開催などについて決まっておらず、これが現行の方式で行われる最後の大会になるとも。そんな大会でアピールに成功した選手たちとは?

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カイオ(アル・アイン)

Jリーグのファンにとっては“今更”ながら、今大会の発見といえばカイオをおいて他にいないだろう。

留学生として日本の千葉国際高を卒業し、鹿島アントラーズで新人王にも輝いた24歳のブラジル人アタッカーは、1,2人であれば簡単にかわすドリブル能力でアル・アインの決勝進出という快挙の立役者となった。

特に左サイドバックを任された塩谷司との“Jコンビ”も冴え渡り、準決勝リーベル・プレート戦ではその塩谷のアシストから値千金の同点ゴールを決めている。

そんな彼に対してはポルトガルの名門であるポルト、ベンフィカなどが興味を示しているとの報道も。かつて日本代表への待望論もあったが、セレソン入りも夢物語ではないかもしれない。

フリアン・アルバレス(リーベル・プレート)

準決勝でアル・アインに敗れたものの、3位決定戦で鹿島アントラーズを一蹴し南米王者の意地を見せたリーベル。

今大会は「ファルカオの後継者」とも考えられるコロンビア人FWラファエル・サントス・ボレが3得点を記録したが、鹿島との一戦でより記憶に残ったのはアルゼンチン人FWフリアン・アルバレスのほうだろう。

今夏ユース所属ながら突如「9番」を与えられ話題となった18歳は、その年齢からは想像もつかないほどの成熟したプレーで鹿島の守備陣を翻弄し、試合を決めたゴンサロ・マルティネスの追加点をお膳立てした。

11歳の時にリーベルとボカの入団テストに合格し、当時レアル・マドリー入りする可能性もあった逸材。マドリーとの契約には13歳以上、家族全体での移住が必要だったためアルゼンチンに留まったが、近い将来の欧州上陸は確実だろう。

安部裕葵(鹿島アントラーズ)

今大会はチバスにこそ勝利したものの、レアル・マドリー、リーベルに大敗を喫した鹿島。

しかしアザールに憧れる19歳の輝きが失われることはないだろう。チバス戦の途中投入から流れを変え、試合を決定付ける素晴らしい3点目のゴールを決めた彼は、3位決定戦のリーベル戦で脅威の4人抜きドリブルを披露し観衆の目を釘付けにした。

準決勝のレアル戦では成す術なく、試合後には人目を憚らず涙した。しかしその経験こそが彼を成長させる何よりの糧となるはずである。

大会中には「欧州の複数チームが追跡している」とも報じられており、いずれは海を渡ることであろう。

フセイン・アル・シャハト(アル・アイン)

カイオやGKハリド・イーサらと共にアル・アインの快進撃を支えたのがエジプト人アタッカーのアル・シャハトであろう。

今年になってエジプト代表デビューと初の国外移籍を果たしたというやや遅咲きの26歳は、カイオと反対の右サイドを担当し、優れた機動力と北アフリカ人らしいドリブル技術で対峙する相手を切り裂き続けた。

エスペランス戦で超ゴールを決め、レアル・マドリーとの決勝でも前半にセルヒオ・ラモスとクルトワを“ちんちん”にした。あの場面で彼がゴールを決めていれば試合は違った結果になったかもしれない。

華奢な体格で若手とも言えない年齢であるが、欧州の舞台で見てみたい選手だ。

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