ナイジェリアやニジェールなどアフリカ中部の4カ国で厳しい生活を強いられている人の姿を伝える写真展「ボイス・オブ・アフリカ」(日本赤十字社など主催)で、県立横浜国際高校(横浜市南区)ボランティア部の生徒による展示解説が行われた。紛争による親子の断絶や、キャンプで暮らす避難民の現状を丁寧に伝え、多くの来場者が耳を傾けた。
写真展は「国際人道法」を普及するため毎年開かれている。高校生の展示解説は、若者が説明することで来場者に関心を高めてもらおうと初めて企画。22、23日に、会場のみなとみらいギャラリー(横浜市西区)で同校の生徒計4人が解説を担った。
同校2年の大塚千雛(ちな)さん(16)は、2日間とも参加した。
来場者に自分から声を掛け、粗末なテントが並ぶキャンプや、家族のために水などを運ぶ子どもの写真を解説。両親に置き去りにされた3人の子どもが、親と再会したキャンプで蚊帳ごしに撮影された家族写真の前では、「長女は捨てられたことに傷つき、親の隣に座ることにも抵抗した。蚊帳は、家族の過去を隠す象徴のようなもの」などと熱心に語った。
茨城県から訪れた会社員の女性(26)は、「撮影された人たちの背景を丁寧に話してもらい、より伝わってきた」と感心した様子。大塚さんは「日本ではこういう状況を想像することも難しく、知らない人も多いが、もっと関心を持ってもらえたら」と話していた。
写真展は、同ギャラリーで26日まで。入場無料。