街│新連載 第16回「タウンシップを徘徊する」Mingalardon Township ミンガラドン・タウンシップ ヤンゴンの表玄関として内外に知られる市の代表区 空港、軍事大学などのミャンマーの重要施設が集中

ヤンゴンの表玄関として内外に知られる市の代表区 空港、軍事大学などのミャンマーの重要施設が集中

街│新連載 第16回「タウンシップを徘徊する」Mingalardon Township ミンガラドン・タウンシップ

周辺に生息した「ミガティミンガラ」という鹿から命名された

地形的にはその昔、ヒマラヤ山脈からバゴー山系が形成された後で、ミンガラドンに連なる坂や山などもあったという。
この地区の歴史は隣接するオッカラーパの成り立ちにもつながっている。オッカラーパ王の父君であったテイチャー王とメラム王妃が恋に落ち、このミンガラドン地区にあった山地で息子のオッカラーパ皇太子が誕生したという逸話が残る。

パーリ語とモン語によると、「ミンガラー」とは“吉祥”という意味を持ち、伝説によれば「ミガテイミンガラー」という鹿の名から“ミンガラー”と命名されたという。
現在、この地区にはヤンゴン国際空港、アウンミンガラー・バスターミナル、Hlawgaリゾート公園、国軍兵士訓練学校・国軍病院など国の重要施設があり、いわばミャンマーの“顔”のような象徴的地区になっている。
他に古くから作られたミンガラドン工業団地は有名で、縫製工場をはじめなど様々な製造工場が入所し、日系の工場も数多く進出している。
また、国際トーナメントなどが開催される 「ミンガラドンゴルフ・コース」や、「Swedaw City」という大きな住宅エリアも有名だ。
ミンガラドン地区は軍政時代で作られ、整備され新しいタウンシップの、最も発展が目覚ましい地区ともいえるだろう。

バンコクの「スワンナブーム」 よりも早く建設 ミンガラドン国際空港 Mingalardon Intel. Airport

ヤンゴン市の北15㌔、ミンガラドン・タウンシップ内に位置していることから、この空港名がつけられた。先の世界大戦で「Calcutta Metropolitan Airports Authority」という会社によって建設され、当時は東南アジアでも上位にランクされる空港の一つだった。
ちなみにバンコクの「スワンナプーム空港」よりも早くできたため、「ミンガラドン」という名は海外でもよく知られていた。誕生当初は東南アジアでも最高ランクの空港として知られたが、維持管理や時代のニーズに対応できないなどの問題で、やや取り残された感じがあった。
しかし民政移管後に新ターミナルビルが建設され、空港機能もかなり向上し、今ではミャンマーの表玄関としての機能を持っているが、民政移管以来乗り入れ航空会社も増え、かなり飽和状態になっている。
空港は3つのターミナルビルで構成されており、ターミナル1と2は国際線用に利用され、ターミナル3は国内線専用となっている。
2015年には約468万人の利用客があったという。現在10ルートの国内線と30路線の国際線が乗り入れている。国内26都市と海外22都市への路線がある。

雄大な自然動植物公園は市民が憩いのリゾートに Hlawga 自然保護地区

「Hlawga」自然保護区はミンガラドンタウンシップ内にある国家自然保護地区で、ヤンゴン中心部から北へ22マイルに位置する。
1540エーカーの広さの中で、818エーカーは野生動物の保護地区に、62エーカーは動物園に、残りの660エーカーはフリーゾーンとなっている。1982年に自然教育センターによって作られ、現在、ヤンゴンから日帰りで行ける観光名所として市民に親しまれている。
動物園にはヒマラヤ熊、マレー熊、クロコダイル、ジャングル猫他、猿や鳥などの動物が保護されており、鳥獣館の見学もできる。また地区内には9つの湖があり、種々の樹木と竹はヤシが生い茂り、5マイルもある周遊遊歩道で歩きながら自然を散策でき、植物のみならず、様々動物の生態も観察できる。

ちなみに自然保護地区の中には4つのリゾート施設もあり、リゾート1では伝統的な象に乗って遊ぶこともできる。リゾート2にはバンガロー、コテージなどが作られ、バードウォッチングには最適な場所だという。その周りには湖を周遊する遊歩道も作られている。また、リゾート1とつながる橋もあり、グループ客やファミリーで遊べるスペースと環境が整っている。
リゾート3では湖畔から湖と自然の美しさを楽しむことができ、レストランなどもあることから一番人気の場所となっている。リゾート4では、湖でボート遊びができ、湖面の美しさや自然の冷風が感じられ癒される。ここにはミャンマーの伝統建築の休憩室などがある。
この自然保護地区は動物などが半ば放し飼い状態で保護されているため、プラスチックやビニール製の袋など環境保護に悪いもので、動物たちに悪影響を与えないように厳しく管理されているという。なお、保護地区内では水泳、釣り、ペット、刃物ナイフなども持ち込みが禁止され、火の使用、ドラック、ゴミの放棄、動物への虐待なども厳しく取り締まりが行われているから注意。

有事、戦闘に備えた軍事医療系大学 軍事・救急医療軍事大学 Military Institute of Nursing and Paramedical Science (MINP)

文字通り、戦闘や有事に備えた国軍系の医療大学である。看護学、薬学や医学などの学位が取得できる。2000年にヤンゴン看護大学とマンダレー看護大学の協力を得て「Defense Service Institute of Nursing」(防 衛庁看護学校」として国軍によって創設された。2002年に、救急医療と医学の学位プログラムが追加され、現在の名称変更された。

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