【MLB】ドジャースは不良債権処理の名人!? 米絶賛「球界で断トツに財政的に魅力」

レッズへの移籍が決定したヤシエル・プイグ【写真:Getty Images】

今オフはプイグ、ケンプ、ウッズをレッズへ放出

 ドジャースは先日、総勢7選手を動かす大型トレードをレッズとの間で成立させた。ドジャースはヤシエル・プイグ外野手、マット・ケンプ外野手、アレックス・ウッド投手、カイル・ファーマー捕手を放出。レッズからホーマー・ベイリー投手のほか、若手有望株のジーター・ダウンズ内野手と右腕ジョサイア・グレイ投手を獲得した。球界を驚かせたメガディールについて、米スポーツ専門局「CBSスポーツ」公式サイトが分析。アンドリュー・フリードマン編成本部長率いるドジャース首脳陣を、不良債権処理の名人だと称えた。

 記事では、今回のトレードでドジャースが最大の目的としたのは「金」だと指摘。来季は8年1億6000万ドル(約177億6700万円)という大型契約の最終年を迎えるケンプは年俸2175万ドル(約24億1500万円)を残し、今オフ3度目の年俸調停を迎えるプイグとケンプは、それぞれ年俸1200万ドル(約13億3400万円)と900万ドル(約10億円)以上を手にすることが予測される。

 一方、ベイリーは2019年は年俸2300万ドル(約25億5400万円)で2020年は500万ドル(約5億5500万円)のバイアウトがつくオプション契約となっている。ドジャース3選手の合計年俸は約4300万ドル(約47億7500万円)だが、記事ではレッズはベイリー1人に支払う予定だった金額より「わずか1500万ドル(約16億6500万円)高くなるだけで」来季も一定の活躍が期待できる3選手を獲得できたと説明。同時に、ドジャースは一気に1500万ドル分を節約しつつ、将来有望株まで2人手に入れた。

 ドジャースはフリードマン編成本部長の就任以来、トレードを上手く活用しながら不良債権、あるいは将来的に不良債権と化しそうな選手を他球団へ放出してきた。就任直後の2014年オフにはマーリンズとの7人トレードで二塁ディー・ゴードンと右腕ダン・ハレンを放出。パドレスとの5人トレードでは、ケンプと捕手ティム・フェドロビッチを手放した。

毎年オフに大型トレード敢行「球界で断トツに財政面で魅力的なチーム」

 2015年オフにはマーリンズとブレーブスとの三角トレードで、期待されながらも花開かなかったキューバ人内野手ヘクター・オリベイラに別れを告げ、昨オフはブレーブスにいたケンプを呼び戻す代わりに、左腕スコット・カズミア、右腕ブランドン・マッカーシー、一塁エイドリアン・ゴンザレスらの放出に成功している。

 これらのトレードで獲得した選手の中には、ヤズマニ・グランダル、キケ・ヘルナンデス、オースティン・バーンズらが含まれている上に、下降線をたどっていると思われたケンプは今季打率.290、21本塁打、85打点と大活躍。ワールドシリーズ進出に貢献した。

 今オフも見事、年俸総額に余裕を生んだこの手腕を、記事では「球界で断トツに財政面で魅力的なチーム」と絶賛。2年連続でワールドシリーズ進出を果たしながらも優勝を逃したドジャースだが、「ついにグラウンドでもっと魅力的なチーム、そして願わくば球界最高のチームになるかもしれない」と、来季こそ念願の世界一制覇の可能性をうかがわせた。

 やりくり上手で生んだ財政的余裕で、今オフさらなる補強に乗り出すのか。あるいは、シーズン中の補強のための“貯金”としておくのか。今後、結果を出しつつあるドジャースの手法に続くチームが増えるかもしれない。(Full-Count編集部)

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