寝袋マットを徹底比較!「サーマレスト」「ニーモ」の人気No.1はどれ? 登山やキャンプなど、安眠のためにもテント泊時には用意しておきたい寝袋の下に敷くマット。「登山マット」「スリーピングマット」「シュラフマット」とも呼ばれますが、種類の豊富さゆえに「どれを選べばいいか分からない」という声も。そこで今回は、人気&定番マット9モデルを徹底比較。自動膨張式からエアーマットまで、寝心地や重量、収納時のコンパクト性など、編集部員が実際に試してレビューします。

寝袋の下に敷くマットって、どれがいいの?

あなたはテント泊のとき、寝袋の下にどんなマットを敷いていますか? そして、どんな基準でそのマットを選びましたか?

整地されていないことも多い山のテント場では、安眠のためにも欠かせない寝袋マット。マットがなくても、登山の疲れで眠りに落ちることもありますが、強靭な体の持ち主でない限り、翌朝には体がバキバキになっていることでしょう。安全に登山をするためにも、しっかり体を休めることも大切です。

(<山と道>UL Pad[左]と<THERMAREST>Zライト ソル[右])

編集部員Oは、ロール型とアコーディオン型の“クローズドセル”といわれるタイプのマットを所持。いつでもどこでもサッと広げられて、擦れてもヘタらない丈夫さと軽さ、使いたい長さにカットできるところが気に入っています。

しかし、どうしてもかさばることが難点。そしてやや薄いため、テントの下に隠れている大きめの石に体を突き上げられることもしばしばです。そのため、コンパクトに収納ができる“エアマット”や“自動膨張式マット”の購入を検討中。より快適な寝心地も選ぶときの条件の1つです。

しかし、寝袋マットは種類が非常に豊富なため、「結局どれがいいの?」と購入時に悩む人が多いよう。編集部員Oもまさにその一人です。

サイズや重量などのスペックは、インターネットですぐに情報を入手できます。一方、“寝心地”については実際に寝てみないと分からない部分。スペックだけでマットを選んだ場合、「体との相性が良くなくて熟睡できない」なんてことが起こるかもしれません。

そこで今回は、寝袋マットといえばの2大メーカー<THERMAREST(サーマレスト)>と<NEMO(ニーモ)>のマット9モデルをピックアップ。YAMA HACK編集部員が、実際の寝心地を比べてみました!

「そもそもマットにはどんな種類があるの?」という方は、まずこちらの記事をチェックしてから進みましょう。
▼マットの種類は大きく分けて3種類!

【テント泊に必須!】寝袋の下に敷くマット、違いが知りたい!ICIの人に聞いてきた
テント泊デビューの準備をする時に、寝袋とセットで用意すべきマット。寝袋もそうですが、マットも何やら色々種類があるようです。それぞれのマ...

本当に寝心地が良いマットはどれだ!? 編集部員が試してみた!

今回用意したのは、こちらの9種類。

<THERMAREST>
①プロライト プラス マウンテンサンセット(2018年限定カラー)
②プロライト
③ネオエアー トレッカー
④ネオエアー Xライト

<NEMO>
⑤トゥオ
⑥ゾア
⑦オーラ
⑧テンサーインシュレーテッド
⑨ベクターキャンプインシュレーテッド

編集部員には、それぞれの特徴を伏せた状態で、寝心地だけを比べてもらいます。

手で押したり、寝返りを打ってみたり、仰向けやうつ伏せなど色々な角度から寝心地を調査。各マットの違いはどんなところにあるのでしょうか。

実際のテント場は、石で地面がごつごつしていたり、傾斜があったりと状況は様々。そんな場面も想定し、障害物をマットの下へ入れたときの寝心地も試してみました。

寝袋マットは、まさに山でのベッド。硬さや反発力は好みが分かれるところです。寝袋の有無によっても、寝心地が大きく変わります。

9モデルを一通り試したところで、『私的・寝心地NO.1マット』を選んでもらいました。さぁ、どのモデルが選ばれるのでしょうか!?

編集部員が選んだ、寝心地NO.1マットはコレだ!

早速、編集部員が選んだ『私的・寝心地NO.1マット』を評価ポイントと共にご紹介。まずは、<THERMAREST>から発表します。

編集部支持率NO.1!

(THERMAREST ネオエアー トレッカー:サイズR)

編集部員6名のうち3名が、一番寝心地が良かったマットに選んだのがこちら。

<THERMAREST>ネオエアー トレッカー

・かなり厚みがあるエアーマットだが、寝たときに体が揺れず、非常に安定感がある
・寝たときの体の収まりが良い
・長方形というのもポイントが高い
・動くとちょっとガサガサ音がするが、寝袋があれば気にならない
・反発力が丁度良く、自分の体に一番合っていた

マット界のバランサー!

(THERMAREST プロライト プラス マウンテンサンセット:サイズR)

次いで人気だったのが、見た目のデザインが目を惹くこちら。夕日と山脈をデザインした2018年限定カラーです。2名が推選しました。

<THERMAREST>プロライト プラス マウンテンサンセット(2018年限定カラー)

・硬めのマットで、体が安定するところが◎
・薄い割りに、暖かく感じられた
・硬さとクッション性のバランスが良い
・柔らかいエアーマットだと腰が痛くなるが、これなら大丈夫そう

万人受けしそうな安心の寝心地!

(THERMAREST プロライト:サイズR)

最後の1名が選んだのはこちら。

<THERMAREST>プロライト

・程よい硬さがフィットして、体が転がらない

続いて、<NEMO>の『私的・寝心地NO.1』を発表します!

体が沈まない抜群の安定感!

(NEMO オーラ:サイズM)

なんと、編集部員6名中5名がこちらをNO.1に選びました。

<NEMO>オーラ

・程よい硬さがあり、とにかく体が沈まない
・サラッとした生地感が良い

ほんのり柔らかフィット!

(NEMO ゾア:サイズR)

そして、“オーラ”を寝心地NO.1 に選んだ編集部員たちが、非常に悩んだのがこのモデル。

<NEMO>ゾア

・オーラと寝心地が非常に似ているが、ゾアの方が柔らかい
・オーラと比べると、ちょっとだけ体が沈むので僅差でオーラ

体を守る頼れる存在!

(NEMO トゥオ:サイズR)

1名はこのマットを指名。

<NEMO>トゥオ

・弾力がありつつ、沈まないくらいの硬さが丁度良い
・体が守られている感覚があり、タフそうな印象

選ばればかった3モデルの寝心地は?

(THERMAREST ネオエアー:サイズR[左]、NEMO テンサー:サイズR[右])

今回『私的・寝心地NO.1』に選ばれなかったマットも、寝心地が悪いということは一切ないのですが、寝心地だけを重視すると、どうしても気になるポイントがでてきます。

(NEMO ベクターキャンプインシュレーテッド:サイズR)

<THERMAREST>ネオエアーXライト<NEMO>テンサーベクターキャンプインシュレーテッドは、厚みがありクッション性の高いフカフカの寝心地が魅力。

その反面、体の動きに合わせて中の空気が動き、横を向くとその方向にやや沈む印象。「エアーマットのぼよんぼよんする感じが苦手」という人が意外と多いことが分かりました。柔らかいマットが好みの人には良さそうです。

YAMA HACK編集部員がゴロゴロしているのを横目で見ていたCAMP HACK編集部員が突如乱入! アウトドア好きなら誰しも、マットの寝心地は気になってしまいますよね。CAMP HACK編集部員にはエアーマットが人気でした。

体は正直、寝心地も妥協するべからず!

マットの寝心地を比べてみると、思っていた以上にモデルごとに差があることが分かりました。そして、多くの人が「寝心地が良い」と感じるマットには共通点が。それは『体が沈まないこと』『体が安定すること』。つまり、上下左右に体がブレないマットが眠りやすいと感じるようでした。

マットの種類はもちろんですが、空気の入れ具合でも寝心地に差がでます。テント泊でなかなか眠れない人は、一度マットを見直してみると良いかもしれません。

寝心地の良かったあのマット、気になる重量・収納サイズは?

今回試した全9モデル。収納してみると、モデルによってこんなに大きさが違うのです。どれがどのマットだか想像がつきますか?

収納したサイズを始めて見た編集部員からは、「こんなに軽いならこれもいいな~」という声や…

「寝心地はこっちが好きだけど、収納サイズはこのくらいだと嬉しいな…」という声も。

寝袋マット、収納したらこうなった!

9モデルを収納したときの、大きさと重量を見てみましょう。意外な結果に驚くかも!?

<THERMAREST>4モデル

(ペットボトルは500ml)

エアーマットの左2つは空気を抜くとペッタンコになるので、かなり小さく収納することが可能。右2つの自動膨張式マットは中にフォームが入っている分、どうしても大きくなってしまいます。左から二番目は、エアーマットではありますが、やや重量がありますね。

実は、サーマレストには『ファスト&ライトシリーズ(軽さと収納性を重視)』と『トレック&トラベルシリーズ(快適さ、軽量さ、コンパクトの最適なバランスで設計)』があり、自分のアウトドアスタイルに合わせて、選ぶことができます。左から二番目の“ネオエアー トレッカー”だけ『トレック&トラベルシリーズ』。多くの編集部員が寝心地NO.1に選んだのは、まさに“快適さ”を意識したモデルでした。

<NEMO>5モデル

(ペットボトルは500ml)

一番左と右から二番目がエアーマット、他は自動膨張式。中央のモデル(オーラ)のみサイズがMと短いので、他のモデルと同じくレギュラーサイズの場合は、もうひと回り大きくなります。重量はレギュラーサイズのものを記載しています。

ニーモには軽量なモデルが多い様子。右側2つのモデルが重めの理由は、その特徴に隠されています。左から二番目の“ベクターキャンプインシュレーテッド”は、なんとエアーポンプが内蔵されているんです。

こんな感じで足でポンプを踏んで、楽に空気を注入できます。口で膨らませるのって、結構大変なんですよね。

一番右の”トゥオ”には、空気の注入口が2つあることに注目。内部が上下2つの部屋に分かれた、ちょっと特殊な構造なのです。下側の空気でしっかり障害物の不快感を防ぎつつ、上側の空気は好みの硬さに調整することができます。

寝袋マット選びは、取捨選択!

寝心地の良さは譲れない、でも少しでも荷物を軽くコンパクトにしたいテント泊装備では、重量・収納サイズも気になるところ。いくら寝心地が極上でも、数kg以上あるマットやザックの中であまりに幅をとるマットを山に持って行くのは現実的ではありません。

理想の寝心地』と『理想のスペック』、この両者の折り合いをどこでつけるかが、マット選びのポイントになってきます。

自分にぴったりのモデルはどれ? 寝袋マットのスペックを一覧で比較!

寝心地を試してみたマット9モデルのスペックを一挙ご紹介。表でそれぞれの特徴を比較してみましょう。編集部員が感じた寝心地を踏まえ、どのモデルがどんな人におすすめかをまとめてみました!

<THERMAREST>

<NEMO>

寝心地の好みは、あなたにしか分からない!

今回紹介した9モデル以外にも、たくさんの種類がある寝袋マット。登山スタイルや使用シーンによって、適したモデルを選ぶことができます。スペックを徹底的に調べたり、携行性や機能性は実際に使っている人の感想を聞いてみるのも良いでしょう。

しかし、マットと体の相性や好みの寝心地だけは、あなたにしか分かりません。スペック表や編集部のレビューを参考に候補を絞りつつ、アウトドアショップで実際に寝てみて、爆睡確実のマットをみつけてくださいね!

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