小栗旬が山崎豊子原作「二つの祖国」で主演! ライバル役にムロツヨシ

テレビ東京系では、2019年3月30、31日(予定)に、開局55周年特別企画ドラマスペシャル「二つの祖国」を2夜連続で放送することが分かった。発行部数250万部突破の大ベストセラーである山崎豊子著「二つの祖国」を民放で初めて映像化。第2次世界大戦前・中・後の1900年代のアメリカと日本を舞台に、歴史に翻弄(ほんろう)されながらも、激動の時代を生き抜いた日系アメリカ人2世たちの愛と奇跡を描く。主人公の日系2世の新聞記者・天羽賢治役を小栗旬、同じく日系2世で賢治の学生時代からの友人でありライバルのチャーリー田宮役をムロツヨシが務める。

1900年代前半にアメリカに生まれ、アメリカ人として育てられた日系2世たちは、日米開戦によって日本人として生きるのかアメリカ人として生きるべきか、残酷極まりない問いを突き付けられる。ともに日系2世でUCLAの同級生でありながら「日本人であること」に正反対の考えを持つ賢治とチャーリー。正反対の生き方をする2人の人生は、歴史の流れに翻弄されながらも交錯し、時に助け合い、時にぶつかり合ってゆく。その「悲劇の対立」の行く末に待ち受けていたものは…。

同局のドラマ初主演となる小栗は「第2次世界大戦時、日系アメリカ人がここまできつい、過酷な状況を生きていたということは知らなかったので、『二つの祖国』の原作を読んで衝撃を受けました。今だからこそ伝えたいこともあると考えチャレンジしたいと思いました。賢治というキャラクターは日系2世で正義感が強いキャラクターなので、その辺は本当に大事にしたいと思っています。ある種、頑固な部分を持っている人物なので、すごく難しい部分もあるなと思っています。日本とアメリカ、両国の環境を知っているというのは日系人のアイデンティティーだと思うので、そういうところを意識して演じていきたいと思っています」と、今作での役どころと意義に触れた。

撮影現場について「監督はこの題材をやるということにとても悩みながらやられていると思うので、そこは一緒に悩みながら作っていけたらいいなと思います。現場に寄り添いながら撮ってくれる監督なので、不思議な環境で、久しぶりに映画のような雰囲気を楽しんでいます。せっかくテレビ東京でチャレンジするわけですから新しい風を起こしたいですね。決まった方向性で作るのではなく、いろいろ試してみたいと思います」と意欲的だ。

プライベートでも親交のあるムロについて「自分の父親が山崎豊子さんの作品が大好きなんですが、チャーリーをムロくんがやるといったら『全然違う!』と(笑)。『あの役はちゃかさないでね』と言っていました。でもチャーリーをみると、生い立ちを含めてムロくんとどこかリンクするところがあるので、チャーリーをムロくんがやったら面白いのにと思っていました。昔から語り合ってきた友人という点や、上を目指しているという点も、ムロくんは昔は本当にそういうところが如実に出てる人だったり。それも含めチャーリーとつながるところがあると感じていました」と適役であることを強調した。

対するムロは「お話をいただいた時、生半可な気持ちではやってはいけないと思いました。今のムロツヨシという役者がやっていいのか、じっくり考えた上で決断しました。日系2世を演じるにあたって、責任をしっかり持たなきゃいけないと思ったからです」と心境を語り、役どころについて「ここで格好良く『英語は意識しない!』と言いたいんですけど、今からでも英語のセリフが日本語になってくれないかなって思ってます。でも、今のところひっくり返らないみたいですね(笑)」と英語のセリフに苦労している様子。

小栗との共演について「僕と小栗くんが知り合って15年ぐらいになります。僕が演じるチャーリー田宮は、筋とか思想とか関係なく、この国でいかに勝ち残るかを考えている人間です。実は、僕とチャーリーは似ているところがあるんですよ。僕は世間の皆さまからしたら何者でもない時に『小栗旬の友人です』と言っていたんです。これは、はたから見れば人を利用するようなことだったと思うんですけど、僕はそれをいとわなかったんですよ。方法は何であれ、とにかく皆さんに存在を知ってもらって、一つでも多くの役をやって、そこから僕をジャッジしてもらいたいと思っていたので。だから、人を利用するチャーリーのやり方が理解できてしまうところがあります。僕自身も勝ち残るために自分を変えてでもやってきたところはなきにしもあらずなので、その辺はすごく役として意識しています。皆さんが持っている喜劇寄りのムロツヨシのイメージではないムロツヨシをお見せする機会が持てましたので、どうか今回ばかりは笑わない準備をして、役者・ムロツヨシを見ていただきたいと思います」と語り、新たな役どころに挑む意気込みをアピールした。

© 株式会社東京ニュース通信社