【平成の長崎】「環天頂アーク」「幻日」佐世保の空 虹の共演 平成23(2011)年

 27日午後4時すぎ、佐世保市内の上空で「環天頂アーク」と「幻日」と呼ばれる2種類の虹色の光が同時に見られた。
 長崎海洋気象台によると、環天頂アークは、別名「逆さ虹」とも呼ばれる。雲の内部にある6角板状の氷晶に太陽光が当たり、乱反射を起こして虹色の光が現れる現象。太陽の反対方向に出る「虹」とは異なり、真上に反るような形で見られる。一方、幻日は太陽の左右に虹色の光が筋状に現れる現象。
 どちらも上空の高い位置に雲(氷の粒)があり、太陽の高度が低い夕方や朝方に発生する。同気象台は「発生の原理や条件が似ているので、まれに同時に起こることがある」としている。
 同市船越町の市亜熱帯動植物園では虹色の光を見つけた親子連れが「不思議な虹だね、きれい」と足を止めて空を眺めていた。
(平成23年1月28日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

上に反るような形で現れた環天頂アークと、下方で縦の筋をなす幻日=27日午後4時14分、佐世保市亜熱帯動植物園上空

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