【平成の長崎】平戸 迫力のヤマフジ 平成23(2011)年

 平戸市田平町本山免・米の内地区で、樹齢400年以上とされるヤマフジが見ごろを迎えている。7日は「平戸の自然・文化・歴史研究会」(吉居辰美会長)の調査があり、会員らは薄紫色の花に見とれていた。
 同会によると、周囲約2.3メートルのつたは、森のほかの樹木に巻き付きながら成長。樹高・枝幅とも約20メートルに達している。
 調査では、会員らがうねるように伸びたつたの根元に入り込み太さを測定。「(咲いた花が)滝を流れ落ちる水のようだ」「迫力がある」と感嘆の声を上げた。同行した県文化財保護指導委員の邑上益朗さん(61)は大きく成長した理由を「水が豊富で樹木を支えに日当たりの良い場所を確保できた」と解説。一方で「根元付近に枯れ始めた枝が見られ、早急な治療が必要だ」と指摘した。
 ヤマフジは、同町の国道204号から松浦鉄道の「一関踏切」を渡り、農道内を車で3分ほど分け入った所にある。問い合わせは市教委文化遺産課(電0950・22・4111)。
(平成23年5月8日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

見ごろを迎えたヤマフジ=平戸市田平町本山免・米の内地区

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