15年目「音霊」輪を広げたい 元キマグレン・クレイさん

 神奈川県内の海水浴場ににぎわいを生んできた海の家兼ライブハウス「音霊(おとだま)」の総合プロデューサーで歌手のクレイ勇輝さん(38)が、この夏を振り返りながら来年15年目を迎える音霊への思いを語った。海水浴場では音楽イベントへの規制も強化されているが、クレイさんは共存を模索しつつ「音楽で輪が広がれば」と変わらぬ意欲を示した。

 クレイさんは、22日にライブハウス「鎌倉LOOP」(鎌倉市材木座6丁目)で行ったクリスマスワンマンライブで語った。

 音霊がお目見えしたのは2005年。クレイさんがメンバーだった音楽デュオ「キマグレン」が、クレイさんの地元の逗子海岸(逗子市)で開設したのが始まりだった。その後、海の家の「クラブ化」問題から音楽イベントなどへの自治体の規制が強化され、14年からは由比ガ浜海水浴場(鎌倉市)、昨年からは三浦海岸(三浦市)に場所を移して営業している。

 満員のライブハウスで、クレイさんは「いろんな変化を実感し、やれること、やれないことの限界値を知った。まだ根付いていないし進化もしていない」と音霊について振り返る。来年に関しては「まだ白紙だけど一つの節目。シンプルに海が好きで自由にやらせてもらっている。自分と向き合いながら“変化”を付けて何かを成し遂げたい。音楽でいろいろな輪が広がればいい」と話した。

 この日は、今年3月に開催された県の共生社会啓発イベント「みんなあつまれ」のテーマ曲「SO LIFE GOES ON」など16曲を披露。「みんなが集まれる場所をつくっていきたい」とファンの拍手に応えた。

 来年2月17日にも東京都渋谷区の「代官山LOOP」でワンマンライブを行う。問い合わせは、同所電話03(6277)5032。

今年最後のワンマンライブで熱唱するクレイ勇輝さん(中央)=22日、鎌倉LOOP

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