都道府県対抗中学バレー 長崎県男子準V 福岡に惜敗

 バレーボールのJOCジュニアオリンピックカップ第32回全国都道府県対抗中学大会最終日は28日、大阪市の丸善インテックアリーナ大阪で男女の準決勝と決勝が行われ、長崎県男子は決勝で福岡にフルセットの末に敗れたが、準優勝と健闘した。福岡は6年ぶり6度目の優勝。女子は東京が歴代最多となる9度目の頂点に立った。

 長崎県男子は愛媛との準決勝で第1セットを落としたものの、第2、3セットを連取して、3年ぶりに決勝に進んだ。互いに6度目の優勝を懸けた福岡との一戦も、エース入来(広田)の強打を軸に、MB村田(喜々津)らのブロック、WS吉村(日宇)、MB梅本(吾妻)の活躍などで第1セットを25-17で先取。だが、第2、3セットは多彩な攻撃からリズムに乗った福岡を追う展開となり、それぞれ23-25で敗れた。

 試合後の閉会式で個人賞が発表され、長崎県男子の入来と梅本の2人が男子の優秀選手(12人)に選ばれた。

 ■「長崎バレー」堂々と

 ライバル福岡との決勝。フルセットにもつれた試合は、どちらが勝ってもおかしくない好ゲームとなった。結果は1-2で敗れたが、長崎は最後まで諦めずに、積み重ねてきた練習の成果を出し切った。堀切監督(相浦中教)は「2位だけれど、いい2位だと思う。胸を張って長崎に帰ってほしい」とメンバー12人をねぎらった。

 長崎県選抜として活動した4カ月間。選手たちは技術や連係だけではなく「心」を鍛えてきた。「普段の行動がプレーに出る。整列一つでどんなチームか分かる」(堀切監督)。周囲への気遣い、仲間を思いやる気持ち-。そのすべてが視野を広げ、強い精神力を育み、ひいては伝統の「粘り強くつなぐ長崎バレー」となってコート上で表現できるようになっていった。

 この日の準決勝、決勝も、一人一人ができる限りの仕事をした。中でも、力強いジャンプサーブやスパイクで快進撃の立役者となったのはWS入来(広田)。決勝で敗れた後は「自分のせい。みんなが上げてくれたボールをエースとして打ち抜けなかった」と自らを責めたが、セッター岩木(日宇)は「信頼して入来にトスを上げ続けた。それをしっかり打ち切ってくれた」と感謝の言葉を口にした。

 試合終了の瞬間。選手たちはコートに崩れ落ちることなく、素早く整列して、気丈にあいさつした。悔し涙こそ頬を伝ってはいたが、最後まで堂々と「長崎バレー」をやり遂げた。胸に輝く銀メダルは、少年たちがバレーボーラーとして、人として、大きく成長したことを強く証明していた。

【男子決勝、福岡―長崎】ブロックに跳ぶ(右から)入来(広田)、村田(喜々津)=大阪市、丸善インテックアリーナ大阪
【男子決勝、福岡―長崎】第3セット、長崎のWS入来(広田)がスパイクを決めて1点目=丸善インテックアリーナ大阪

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