2018年 長崎県内のニュース

 さまざまなニュースが駆け巡った2018年もきょうで終わる。

 長崎県民の心を熱くさせたのは「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本の12資産)の世界文化遺産登録。中東・バーレーンから吉報が届いた瞬間、多くの人が喜びを分かち合った。12月には、ローマ法王フランシスコが来年の終わりごろに、潜伏キリシタンが信仰を守り抜いた被爆地長崎を訪問する意向を示したという朗報も飛び込んだ。

 スポーツ界も盛り上がった。特にサッカーのJ1に初挑戦したV・ファーレン長崎は、最後まで走り続けるスタイルを貫き、サポーターを魅了。1年でJ2降格という残念な結果に終わったが、試合のある日を楽しみに待つ県民は確実に増えたはずだ。

 V・ファーレン長崎を巡っては、親会社の通販大手ジャパネットホールディングス(長崎県佐世保市)が、長崎市の三菱重工業幸町工場跡地に専用スタジアムの整備構想を打ち出した。長崎市がJR長崎駅西側に計画しているMICE(コンベンション)施設を中核とする複合施設整備の動きと合わせ、賛否が渦巻く県都のまちづくりへの注目度は増している。

 平成最後の夏は、とにかく暑かった。大村市で38・7度を記録するなど、長崎県内で35度以上の猛暑日になったのは通算34日と観測史上最多だった。

 経済界では、約2年半に及ぶ公正取引委員会の審査を経て、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市)と十八銀行(長崎市)の経営統合計画がようやく承認された。

 諫早湾干拓事業や石木ダム建設事業など本県の長年の懸案事項は、問題解決に向けた大きな進展は見られず、混迷が続いている。

 来年5月1日に皇太子さまが即位して元号が改まり、新時代の幕が開く。喜怒哀楽、どのような出来事が待ち受けているだろうか。未来へ思いを巡らせる、平成最後の大みそか。

世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「外海の出津集落」。この1年、登録効果で静かな集落にも多くの人が訪れた=30日午前7時40分、長崎市西出津町

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