2018年もいよいよ今日が最後。大晦日を迎えている。
サッカー界は今年、4年に一度の祭典であるワールドカップが開催されたが、それ以外にもいろいろなことがあった。
そこで今回は、「今年もっとも衝撃を受けた移籍」について、Qolyに寄稿している方々に挙げてもらった。
マウコン(ボルドー→バルセロナ)
ローマ加入が決まっていたにも関わらず、メディカルチェック直前にバルセロナ移籍へと踏み切ったマウコン。
より高額なオファーに代理人が踊らされたわけだが、結果的として割を食ったのはキャリアを焦る形となった彼自身であろう。夢だと語ったバルセロナの攻撃陣に今のところ居場所はなく、才能を披露する機会すらないのが実情だ。
この騒動がインフレ気味の若手獲得レースに対して誰しもが常に冷静であるべきだ、という最後の警告であってほしいものである。(山本一人)
ラジャ・ナインゴラン(ローマ→インテル)
ナインゴランと言えば、練習への遅刻や喫煙での代表追放など“悪者”に近いイメージがあるかもしれない。
一方でローマ在籍時に一生クラブに残る宣言をしたり、ローマからユーヴェへ移籍したピャニッチと絶交したりと、ロイヤリティを示しファンに愛されるような一面も持っていた。
そんな彼も今夏インテルへ移籍することに…。原因はフロントとの確執にあるようだが、応援してくれるファンに一途な気持ちで応えてきた選手だっただけに個人的に衝撃の移籍だった。(越堂一)
アンドレス・イニエスタ(バルセロナ→ヴィッセル神戸)
日本のみならず世界が注目し、そして驚いた超ビッグネームのJリーグ入りを挙げない訳にはいかない。
7月に行われた入団会見で、それまで三田啓貴がつけていた「背番号8」のユニホームをお披露目すると、Jリーグの規約変更によりシーズン途中での背番号変更が可能になるといういわゆる「イニエスタルール」も誕生。
彼の超人的なボールテクニックをお目当てに、後半戦のヴィッセルはイニエスタ効果でホームでもアウェイでもスタジアムは満員に。そして何より、彼によって「Jリーグ」を世界に発信することが出来るというのは、リーグ全体においても大きな影響を与える存在と言えるだろう。(一条のりお)
何と言ってもアンドレス・イニエスタのヴィッセル神戸加入だろう。
前年にキャプテンとしてFCバルセロナのリーグ優勝に貢献し、その後のロシアワールドカップでも優勝候補の一角と目されていたスペイン代表で主軸を担ったスーパースターのJリーグ参戦は、Jリーグ史上最大のインパクトをもたらした。
バルセロナ退団が発表されてからもユヴェントスやマンチェスター・シティといったヨーロッパのメガクラブからの関心が報道されるなど、まだまだ第一線でやれる力を持ちながらここ日本に活躍の場を移したマエストロの移籍は最も印象的であった。(ハルトキノシタ)
クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリー→ユヴェントス)
前人未到のCL3連覇など「20世紀最高のクラブ」であるレアル・マドリーで次々と記録を塗り替えたスーパースターは、そのままクラブで伝説となる道を捨て、イタリアの地で新しい挑戦に踏み出した。
33歳の選手に1億ユーロ(およそ125億円)という巨額の移籍金、4年の長期契約には疑問の声もあったが、半年経った現在、そのことに言及する者は皆無であろう。
圧倒的な数字もさることながら、これだけのトップ選手にもかかわらず一切の妥協を許さない姿勢は、周囲の選手たちに確実に伝染している。彼を失ったマドリーの低迷からしても、目に見える数字以外の部分でもどれだけ彼が大きな影響力を持っていたのかが分かる。
今や白黒のユニフォームを纏う姿に全く違和感がなく、この夏に移籍したことを既に忘れてしまいそうであったが、間違いなくサッカー史に残る大型移籍であった。(編集部)