ビギナーズラックあります!?現地ガイドが教える『落とし込み釣り』のコツ 初心者でも大物が狙えると噂の『落とし込み釣り』。サビキでイワシなどの餌を釣り、そのイワシを今度は餌として沈め、より大物を狙うといいます。本当に初心者でも釣ることができるのか編集部が北九州で体験、現地ガイドにタックル選びやコツを教わってきました!

九州発祥の落とし込み釣り

九州・玄界灘が発祥と言われる『落とし込み釣り』。大物が手軽に狙える九州地方で人気の高い釣りです。

手軽に大物が狙えるとは聞くものの、実際にはどんな釣り方なのか?今回は編集部が本場・北九州で落とし込み釣りを体験。

現地ガイドに釣り方からタックル選び、落とし込み釣りのコツなどを教わってきました。

まずは落とし込み釣りはどんな釣りなのか見ていきましょう。

エサを釣って、大物を釣る?

船からの落とし込み釣りは、専用のサビキ仕掛けにイワシやアジなどエサとなる小魚を食わせ、付ける(サビキで釣る)ところからスタート、エサが付いたらそのまま落とし込み、大きな魚を狙います。

竿にでるエサのアタリから、本命のアタリにかわる瞬間。太すぎても細すぎても難しい仕掛け選びなど、醍醐味も満載なのが落とし込み釣りです。

落とし込みで狙えるターゲット

落とし込み釣りでは青物や根魚を中心に、九州方面ではマダイなども狙えるとのことです。

下記に船から落とし込み釣りで狙える魚種の詳細をご紹介します。

イナダ・ワラサ

落とし込み釣りのメインターゲットがイナダやワラサ。九州地方では通年狙うことができ、旬は12月から2月頃の寒い時期となっています。刺身や煮付け、照り焼きなど様々な調理法で楽しめる魚です。

ヒラマサ

ヒラマサは、イナダ・ワラサと並ぶ落とし込み釣りのターゲット。特に春先には大型ヒラマサの釣果がよく聞かれます。ヒットした際の瞬発力がとてつもなく強いので、他の魚以上にやり取りが重要となります。

味覚の旬は春から夏で、イナダ・ワラサと同じく刺身や煮付けなどで美味しく食べられます。

カンパチ

比較的暖かい海域を好むカンパチ。他の魚と比べると数があまり釣れず、天然物は非常に重宝されています。

九州地方では夏によく釣れる魚ですが、旬は脂が乗る秋から冬にかけてとなっています。

マダイ

魚食性があるマダイも落とし込み釣りのターゲットとなっています。2月から3月が旬です。

産卵シーズンでもあるこの時期には80~90センチ・重さ7~8キロクラスの大型マダイが釣り上げられることも決して珍しくありません。

ヒラメ

高級魚として誰もが知るヒラメ。おかっぱりから釣れる事もありますが、やはり船から狙うほうが数・型ともに狙うことが出来ます。味覚の旬は秋から冬にかけてです。

マハタ、アコウなどハタ類

九州地方の落とし込み釣りでは、マハタやアコウなどのハタ類も狙えます。岩礁帯を好む魚なので、狙う時には適度に底を取り直しつつ狙うのがポイントです。

味覚の旬は春から夏にかけてで、刺身や味噌汁などで美味しく食べられます。

落とし込み釣りのタックル

落とし込み釣りの概要、釣れる魚に続いて、どんな道具を使うのか解説していきます。

ここでは落とし込み釣りのタックル詳細と選び方のポイントを、現地ガイドをしていただいた釣具のポイント八幡本店、甲斐店長に聞いてみました!

ーー落とし込み釣りのタックルということで、まずはロッドからどういうものを選べばよいのか教えてください。

甲斐店長

落とし込み釣りでは、エサとなる小魚を食わせるための繊細な穂先と大物を釣り上げられるパワーが両立されたロッドが必要となります。

スペック的には長さが2~2.4メートル程度で、7:3~6:4くらいの調子の竿がおすすめ。

オモリ負荷は最大100~200号程度まで対応できるロッドが望ましいです。

ーー続いて電動リールに関して教えてください。

甲斐店長

手返しと水深把握がポイントなので、電動リールの使用がメインです。

おすすめは使用ラインが300メートルほど巻ける、ダイワ500番クラス、シマノだと3000番クラスがよいかと思います。

ヒットしてくる大物のパワーに負けない、強い巻き上げが出来るモーターを搭載した電動リールを使うとベストです。

ーーラインはどれくらいの太さを使うのでしょうか?

甲斐店長

使うラインは、感度に優れ強度があるPEラインが主流。

特にヒラマサは根に向かって走るので、強引なやり取りが出来る太さのラインが必要です。

太さは5~6号が基準で、300メートル程度リールに巻いておきましょう。

ーー最後に落とし込み釣りの仕掛けをお願いします。

甲斐店長

専用のサビキ仕掛けを使用します。

落とし込み釣り専用サビキには、フラッシャー付きや、ケイムラ加工、フックを平打ちして輝きを増したものなど、エサとなる小魚にアピールするため様々です。

仕掛けの太さは、狙う魚のサイズやポイントの状況によって幹糸10~20号、枝ス8~16号程度を選びます。

オマツリやラインブレイクなどのトラブルを考えて、仕掛けは多く準備していくようにしましょう。

釣りの流れ

道具立てが分かったところで、落とし込み釣りの流れを見ていきます。

1.エサとなる群れを探して仕掛けを投入

落とし込み釣りは、船長が魚探でエサの群れを探すところから始まります。

群れが見つかり船長の合図があれば、指示のある水深付近まで仕掛けを素早く投入します。

指示のあった水深付近では仕掛けを落とすスピードを緩め、エサとなる小魚がサビキに食いつくようにします。

2.エサをつけて本命を狙う

エサがサビキに食いついたら、そのまま底まで一旦沈めます。着底したら、3メートルほど巻き上げてアタリを待ちましょう。

エサとなる小魚の周りに大物が近づくと、逃げ回るので穂先に前アタリが出ます。

いよいよ大物が食い付けば穂先が一気に引き込まれますのでアワセを入れ、根に潜られないようにして取り込みましょう。

現地ガイドに聞いてみた!落とし込み釣りの“ここがポイント”

甲斐店長

一つめのコツとしては、仕掛けを素早く落とすこと

理由としては船がエサの群れをみつかたとしても、群れが真下にずっと止まるわけではないためです。

なので船長のアナウンスがあったときに、仕掛けをすぐに落とせるよう準備をしておくことが大事ですね。

甲斐店長

二つめのコツは、エサのつきが悪い時は、16号から12号にするなど仕掛けの太さを落としてみることです。

ただ仕掛けを細くするとエサはつくのですが、いざ本命がかかった時に、相手が大きいと仕掛けが飛ばされる(※仕掛けが切れること)リスクも高くなります。

ここが落とし込み釣りの難しいところであり、面白いところでもありますね……。

落とし込み釣りで大物にチャレンジ!

編集部員も釣り方や仕掛けの選び方などアドバイスをもとに、落とし込み釣りに初チャレンジ。しっかりと魚を釣ることができました。

ジギングやキャスティングなどに比べるとヒット数も多く、初心者の方が大物を狙うにはもってこいではないでしょうか。

本記事を参考にしつつ、ぜひ落とし込み釣りに挑戦してみてくださいね!

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