東洋大が昨年の記録を上回る往路新記録で優勝!青学は5連覇に黄色信号!【往路5区フィニッシュ・第95回箱根駅伝】

陸上 試合サマリー

往路・第95回東京箱根間往復大学駅伝競走は2019年1月2日(水)に行われた。序盤から首位が常に入れ替わる激しいレース展開の中、4区相澤の区間新で首位を奪還した東洋大がそのままの勢いで新記録となる素晴らしいタイムで往路優勝達成。青山学院大学は4,5区で遅れた。

1区

スタート直後に大東文化大の新井が他の選手と接触し転倒するアクシデント。すぐ立ち上がったものの足を引きずり苦悶の表情で走る。集団の後ろにつき徐々に落ち着きを取り戻す。

5km地点。東京国際大のタイタスが少し前に出るもすぐ選手が反応し集団のままレースが進む。6km過ぎに5〜10mほどタイタスが前に出るものの、再度集団に飲み込まれる。28分台の選手が数多く揃う1区、なかなかレースが動かない展開が続く。

10kmをすぎたあたりから徐々にレースが動く。東京国際大のタイタンが飛び出し、早稲田の中谷や東海の鬼塚らがついていく。スタート直後に転倒した大東文化の新井はかなり苦しい走りになり大きく遅れ始める。その他、順天堂、山梨学院、上武、関東学連などが先頭集団から遅れ始めるサバイバルレースの様相を呈している。

17〜18kmになりついにレースが動く。東洋大の西山が少し仕掛けると先頭集団が縦長になり、明治大の鈴木らが遅れ始める。東洋大、中央大、青学大の3人が先頭を引っ張り、すぐ後ろに法政、東海がつづく。18.6kmをすぎると東洋大の西山がさらにスパート。中央大の中山がついていくものの苦しく、西山が突き放しにかかる。東洋大の西山は力強い走りで先頭を突き進み、2年連続の区間賞獲得。1,2年生連続の区間賞は早稲田大迫傑以来の快挙となった。

2区

先頭東洋大と秒差でタスキリレーとなった中央大がすぐさまおいつき、そのまま並走が続く。5km、8kmと快調なペースで並走をつづけ後続の追随を許さない。日本大のワンブイは5kmを13分56秒の区間新ペースで突っ込む。すさまじいペースで飛ばし11km時点で5人抜きで12位に浮上。4位グループは6チームによる争い。青学、法政、東京国際、東海、駒澤、国学院が集団で進んでいる。

先頭は並走がずっと続く。15km前後で東洋大の山本がはじめて前に出るが、すぐさま中央大の堀尾が前をとり、これまでの体制に戻り、並走が続く。

18.7km時点で東洋大の山本がついに勝負を仕掛ける。中央大の堀尾も粘るもののじわじわと離され始める。そのうしろからひたひたと迫っていたの国士舘大のヴィンセント。序盤飛ばして入り、そのあといったんペースを落とす老獪な走りを1年生ながら見せる。残り1km地点で素晴らしいスパートをみせ2チームを抜き去り見事46年ぶりのトップで戸塚中継所に飛び込んだ。

後方では、順天堂大の塩尻が素晴らしい走りを見せる。19位でタスキを受け序盤は抑えて入る。中盤からペースを上げ次々に前を抜いていく。ついには快調に飛ばしていた拓殖大のデレセを17km時点で抜き去り、さらに前を行く2人を抜きこれで8人抜き達成。さらにさらに前を抜き、9位まで順位を押し上げた。1時間6分45秒となる6分台の快走、10人抜きの爆走だった。それ以上の走りを見せたのが日本大の留学生ワンブイで、順位を4位まで押し上げ1時間6分18秒で見事区間賞を獲得!

3区

46年ぶりの先頭タスキリレーとなった国士舘大学だが、すぐさま東洋大にぬかれ首位交代。東洋大の○○は快調に飛ばし独走体制に入る。後続との差を200m近くまで広げる。2位グループを形成したのは東海大と國學院大。序盤こそ落ち着いたペースだったが、競り合うように徐々にペースを上げじわじわと先頭の東洋大との差を詰めていく。

後方では8位でタスキを受けた青学大のキャプテン森田が素晴らしい走りを見せる。次々と前を抜いていき駒澤を捉える。並走を続けながら前を追い、11km過ぎに東海大と國學院大の2位グループを捉える。怪我が心配されたが快調に飛ばし、そのまま4人で2位グループ形成する。14kmをすぎたところで青学大の森田が2位グループを飛び出し、その差を広げていく。駒澤大、東海大、國學院大と続く展開に。

3区後半、青学大の森田が先頭との差をぐんぐんと追い上げていき、湘南大橋では7秒差に。そして20km手前でついに東洋大を捉える。そのままピタリとつき並走を続け、区間新記録となる1:01:26の見事な区間新記録でトップでのタスキリレーとなった。

後方では、遊行寺の下りで明治大の安倍がぐんぐんと前を抜いていく。1万m27分台の力を見せ5人抜きで区間2位となった。また、帝京大の驚異の1年生、「湘南の疾風」遠藤も8人抜きの快走でチームを6位に押し上げた。

4区

先頭でタスキを受けた青学大の岩見、3区区間新の勢いそのままに突き進みたかったが、序盤2kmで東洋大の相沢が追いつく。東洋大の相澤は、3km手前で抜き去りぐんぐんとその差を広げていく。区間記録も狙えるペースで、8km過ぎにはその差が40秒に広がった。二宮のチェックポイントでは1分近い差に、12kmでは1分45秒差まで広げる。そこからも相澤は全くペースが落ちず

青学大の岩見はペースが上がらず先頭から差を広げられるばかりか、3位東海大の猛追を受ける。東海大はエースの館澤が力強い走りを見せ、順位を上げるどころか3区トップだった青学大にぐんぐんと近づいていく。そしてついに館澤は青学大岩見を捉え一気に抜き去る。ぐんぐんと差を広げ2位でタスキリレー。例年スピードランナーは揃うもののスタミナに難がある東海大は、このあとの山登りでの展開に注目だ。5連覇を狙う青学大は4区時点での差を2分以内に収めておきたかったが、3分30秒ほどの差をつけられる形となった。山の5区の最注目選手は法政大の青木だろう。前回大会区間賞の青木が控える法政大は小田原中継所では12位となった。

5区

先頭でタスキを受けた東洋大の田中、昨年に続いての5区となった。安定したペースを刻み首位をキープするものの、後続が徐々に迫る。3位でタスキを受けた東海大の西田がハイペースで突っ込み、序盤で青学大を捉え一気に抜き去る。首位の東洋大との差をどんどん詰めていき、最初3分近くあった差が2分を切る程にまで迫る。昨年法政大の青木が打ち立てた区間記録を上回るペースでの快走を見せる。後半は東洋の田中が粘りの走りを見せ、東海大の西田とほぼ同ペースを維持しそのまま見事優勝。昨年チームが打ち立てた往路記録を上回る優勝となった。東海大の西田は区間新記録となった。

法政大の青木も前評判に違わない爆走。序盤から他の選手を圧倒するスピードで飛ばし前を行く選手を抜いていく。途中少しペースが落ちたものの7人抜きの爆走を見せ、昨年の自身の区間記録を上回る1:11:29でチームを5位にまで押し上げた。

その2人をさらに上回る鬼神の走りを見せたのは、國學院大の浦野だ。上位でタスキをもらうと爆走をつづけ、最後まで全くペースを落とさず驚異の1時間10分台となる1:10:54でフィニッシュした。

3人のタイムは以下の通り。

浦野雄平 国学院大学 1:10:54

西田壮志 東海大学 1:11:18

青木涼真 法政大学 1:11:29

スタート直後に転倒した大東文化大の新井は苦しい走りながらなんとかタスキをつなぎきった。

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