全出場校の旗掲げ、箱根路応援15年に幕 小田原

 正月恒例の東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)で、沿道に全出場校ののぼり旗を掲げる神奈川県小田原市小八幡の「箱根駅伝を応援するこやわた会」(平野富久会長)が、15年続けてきた応援活動を今大会で終える。メンバーの高齢化が理由で、会の関係者は「すごい選手たちの応援を続けられたことはうれしい」と感慨深げだ。

 同会の活動は、地元で居酒屋を営んでいた高田寿江さんの提案で2004年にスタートした。初回は、高田さんの夫・始幸さんの母校、東海大ののぼり旗を掲げるのみだったが、翌年から各校に電話で貸し出しを依頼。5年ほど経過した頃には、出場校全校の分を掲げるようになった。

 さらに、沿道の観客に甘酒やつきたての餅を振る舞い、小八幡を走る選手の様子をビデオで撮影。DVDに収めて各校にプレゼントしたこともあり、地元の活性化という当初の目的にとどまらない役割を果たしてきた。

 だが、約25人いるメンバーのほとんどが60~70代となり、のぼりを掲げるための準備作業などの負担が大きくなってきたため、会の活動に今回で幕を引くことにした。

 往路の2日は、選手が通過する時間が近づくと、地元の子どもらがおはやしの演奏を開始。沿道の観客は次第に増え、力走する選手たちに「頑張れ」などと盛んな声援を送った。

 小八幡での応援は3回目という秦野市の主婦石川ユキ子さん(73)は家族で訪れ、「おはやしがにぎやかで、甘酒を飲みながら応援できるのはよかった。今回で最後になるというのは残念」と寂しげ。高田さんは「応援は今回で一区切りだが、選手たちには、やってきたことに自信を持ちこれからも頑張ってほしい」とエールを送った。

 3日も午前9時ごろから全校が通過するまで、応援を行う。

駅伝を盛り上げるため、コースの沿道に立てられた各校ののぼり旗=小田原市小八幡

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