昨年県内交通事故、平成で最少 死者は増加、目立つ高齢者

 神奈川県警が4日に発表した2018年の県内の交通事故発生概況(速報値)によると、発生件数と負傷者数は平成以降で最少になった。死者数も前年に比べ増加したものの、統計のある1948年以降で3番目に少なかった。県警交通部は高齢者や子どもの事故防止、二輪車対策、横断中の歩行者保護を重点に、引き続き対策を進める考えだ。

 発生件数は2万6212件(前年比2328件減)、負傷者数は3万992人(同2650人減)だった。件数、負傷者数とも過去最多を記録した2000年に比べると6割以上の減少となった。交通総務課は「自動ブレーキなど車の安全性能の向上や道路環境の整備、飲酒運転の厳罰化などが進んだことが背景にあるのでは」と分析する。

 一方で、死者数は前年比13人増の162人。都道府県別では4番目に多かった。年齢別では、65歳以上の高齢者が67人で、全体の約4割を占めた。

 状況別では歩行者が63人で最多。うち18人は横断歩道を渡っている際に死亡した。県警は今年から横断中の歩行者保護を重点に据え、対策を強化する。

 バイク乗車中(46人)や自動車乗車中(34人)の死亡事故が前年に比べ増加。バイクは16~24歳の死者が14人(前年比9人増)で、若年層の増加が目立った。

 また、酒に酔うなどして路上に寝込む(9人)、踏切の遮断機をくぐって立ち入る(6人)、坂道で止めた車がサイドブレーキの締め方などが不十分で動きだす(4人)といった「街頭対策が非常に難しい」(西方昭典交通部長)ケースも目立った。

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