英雄や神話、歴史映画を特集 鎌倉で企画展

 歴史上の人物や史実を扱った作品を特集した企画展「歴史を旅する映画」が、鎌倉市川喜多映画記念館(神奈川県鎌倉市雪ノ下)で開かれている。扱われる題材の変遷や製作背景などをたどりながら、名作のポスター約110点を展示している。3月10日まで。

 同館によると、誰もが知る英雄や神話、大事件を扱った「歴史映画」は映画草創期から扱われ、当時で最高の特撮技術や巨費を投じた長編大作が多いという。

 企画展は、作品の時代設定ごとに分け、解説も交えながらポスターを展示。「アラビアのロレンス」(1962年)の特大ポスター(横2・3メートル、縦1・7メートル)が目を引く。

 繰り返し作品化されている大事件も。12年に北大西洋上で沈んだ豪華客船タイタニック号を扱った作品はこれまで30本近く撮られており、会場にも複数のポスターを並べている。

 映画史の観点から興味深いエピソードも紹介。第2次世界大戦後、敗戦国イタリアはチネチッタ・スタジオを整え、外国映画の撮影を積極的に誘致したが、米国の映画会社が遺跡や円形闘技場を背景に歴史映画を数多く撮影し、そこから名作「ベン・ハー」(59年)なども生まれたという。

 同館は「製作費をかけた歴史映画の出演者を見ると、その時代の売れっ子俳優も分かる。映画の歴史も感じながら楽しんでほしい」としている。

 期間中は関連作品も上映する。毎週月曜(祝日の場合は翌日)は休館。一般200円、小中学生100円(映画鑑賞料金は別途)。問い合わせは同館電話0467(23)2500。

特大ポスターも展示された企画展=鎌倉市雪ノ下

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