懐かしの機器から昔の暮らし学ぶ 相模原で学習資料展

 相模原市立博物館(同市中央区高根)で、子どもたちに昔の暮らしを知ってもらう「まなべる くらべる学習資料展」が開かれている。少し昔の電話機や音響機器といった生活用具を並べているが、注目はかつて多くの街角で見掛けられた赤い屋根の公衆電話ボックスのレプリカ。博物館ボランティアの市民学芸員が手作りして展示している。2月24日まで。

 毎年開催して14回目。市民学芸員が昔のさまざまな用具を毎年、手作りしているのが特徴だ。今回は「通信」をテーマにし、「丹頂形」と呼ばれる本体がクリーム色の公衆電話ボックスを再現した。

 作ったのは市民学芸員の畠山義道さん(76)。東京都武蔵野市のNTT技術史料館まで出向き、展示されていた本物を詳しく観察して写真を撮影、サイズも測った。

 「本物は鉄製だが、鉄で作るわけにもいかず、ベニヤ板などの材料をホームセンターで買い込んだ」と畠山さん。元小学校教員で技術科の免許も持つという腕を生かし、高さ約2・2メートルの実物大レプリカを3週間がかりでこしらえた。側面はベニヤ板に壁紙を貼り、本物と同じクリーム色にスプレーで塗った。

 同史料館によると、本物の丹頂形公衆電話ボックスは1954年に登場して長く使われたが、69年からは全面ガラス張りタイプが登場して交替していったという。

 同博物館の展示では、ダイヤル型の古い黒電話や赤い公衆電話、その後に開発された携帯電話など、各時代の電話機の実物を展示。大型のステレオ、オープンリールのテープレコーダーといった家電や、60年ごろの相模原駅前、65年ごろの相模大野駅前の商店街を写した写真なども紹介している。

 年配の人たちは懐かしみ、子どもたちには道具を通して昔の暮らしを学べるように工夫を凝らした。畠山さんは「わずか数十年で電話などが急速に変わってきたことを知ってほしい」と話している。

 1、2月の第1、3日曜日には、親子で昔の遊びや紙芝居などを楽しめる「チャレンジ体験コーナー」(午前10時~午後4時)も開かれる。問い合わせは同博物館電話042(750)8030。

ベニヤ板などで再現した「丹頂形公衆電話ボックス」のレプリカ=相模原市中央区高根の同市立博物館

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