北九州市で10月20日から開かれていたご当地グルメの祭典第7回「B-1グランプリ」は21日閉幕し、青森県八戸市の「八戸せんべい汁研究所」がゴールドグランプリを受賞した。離島の団体で初めて出展した長崎県対馬市の「対馬とんちゃん部隊」は2位のシルバーグランプリに輝いた。63団体が参加し、期間中に過去最多となる約61万人(主催者発表)が訪れた。
■「地元を元気に」結実 全島放送で市民に報告
「対馬とんちゃん部隊が準優勝の栄誉を勝ち取りました」-。全国のB級ご当地グルメが集結する「B-1グランプリ」で、対馬市北部の若者を中心につくる町おこしグループが初出場でシルバーグランプリを獲得する快挙を達成。対馬市は21日夜、防災行政無線を使って結果を全島放送し、祝福ムードが一気に広がった。
「とんちゃん」は、戦後に在日韓国人が伝えたとされる上対馬独特の焼き肉料理。豚の肩ロースをしょうゆやみそ、ごま油などで調合した甘辛いタレに漬け込み、日本人好みに工夫した。精肉店やスーパーで販売され、バーベキューや家庭料理として親しまれている。
部隊が活動の拠点とする上対馬町でクリーニング店を営む木村元行さん(53)は「地元を元気にしようと立ち上がった若者たちの努力が形となり感動した。離島でもやればできることを証明してくれた」と声を弾ませた。
グランプリ初日に対馬市のPR隊員として参加した財部能成市長は「チームのまとまりが素晴らしかった。郷土料理を通じ地域を売り込む活動は町おこしの王道。島内には他にも頑張っている若者たちがたくさんいる。今回の快挙を受け、互いに刺激し、対馬全体が活気づいてほしい」と期待を寄せた。(平成24年10月22日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。