【平成の長崎】V・ファーレン長崎 JFL初優勝 J2昇格 平成24(2012)年

 日本フットボールリーグ(JFL)第33節最終日(11月11日・静岡県藤枝総合運動公園サッカー場ほか=5試合)2位の長野パルセイロは藤枝MYFCに0-1で敗れた。長野は勝ち点58にとどまったため、10日の試合で勝ち点を64に伸ばしたV・ファーレン長崎が最終節を残して初優勝を決めた。

 11月12日のJリーグ臨時理事会で来季のJ2昇格が決まったことを受け、V長崎の佐野監督、MF佐藤主将、FW有光は長崎県諫早市の事務所で記者会見。佐野監督は「ほっとしている。非常に厳しいプレッシャーをはねのけた選手を誇りに思う」と称賛した。佐藤主将は「この状況になったことが夢のよう。感無量」と喜びをかみしめ、有光は「佐野監督の下で3年間やってきたことが結果につながり、すごくうれしい。(ホームでの)最終戦も勝って盛り上がりたい」と勝利を誓った。

 ■待ち続けた吉報ついに/ピッチの内外、歓喜の輪

 クラブ誕生から8年目。待ち続けた吉報がついに届いた。V・ファーレン長崎のJリーグ昇格が決まった11月12日、選手やスタッフ、フロント、サポーター、夢を追ったすべての人たちの間に歓喜の輪が広がった。

 長崎県諫早市にあるV長崎のクラブ事務所。午後3時32分、Jリーグの大東和美チェアマンからの電話を受けた宮田伴之社長は「ありがとうございます」と13度も繰り返し、何度も頭を下げた。電話を切ると、会見場に待ち受けた数十人の報道陣に「満場一致で(Jリーグ入会が)承認されたと報告を受けた。ありがとうございます」と笑顔で発表。同席した菊次勉専務、岩本文昭常務、佐野達監督、佐藤由紀彦主将、有光亮太選手と握手を交わした。

 佐野監督は「引き受けた以上、V長崎を絶対Jリーグに上げることが使命と思い、ここまでやってきた。昇格できてうれしく、ほっとしている」と少しだけ表情を緩めた。

 2005年のクラブ発足時に監督を務めた後、フロントで昇格条件の達成に心血を注いできた岩本常務は「毎日がつらかったが、Jリーグに上がりたい、上がるんだという気持ちがパワーになった。時間はかかったが、行政、スポンサー、サポーター、県民の尽力があって達成できた」と表情に充実感をにじませた。

 支援を続けたファンや自治体からも喜びの声が上がった。11日夜、優勝決定を知ったサポーター十数人がクラブ事務所を訪問。宮田社長に「おめでとうございます」と声を掛け、花束を贈った。

 諫早市の宮本明雄市長は「市民を代表して心からお祝い申し上げる。さらなる健闘を祈念する」とのコメントを発表した。(平成24年11月13日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

笑顔で会見に臨む(左から)有光、佐藤、佐野監督=V・ファーレン長崎事務所

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