さよなら平成!今すぐ誰かに教えたくなる【元号トリビア6選】4月1日新元号発表

いよいよ新元号がスタート。そこで、今さら人に聞けない元号の基礎知識、改元の歴史や謎に迫ります。今すぐ誰かに話したくなる6つの元号トリビアを大公開! 珍しい生き物が見つかったからといって元号が変わったことがあるってホント!? 元号って本当に不思議の宝庫です。

改元・新元号はいつからスタート? 発表時期は?

さて。2019年5月1日。午前0時をもっていよいよ元号が改められます。つまり『平成31年』は4月30日まで。それに先立ち、4月1日、「平成」に変わる新元号の名称が公表されることになりました。

こんにちは。遂に3つの元号をまたぐことになる、昭和生まれ。放送作家の長谷川大雲です。

さあ、「平成」ともいよいよお別れです。さよなら「平成」。goodbye「平成」。

新元号の候補は金庫に保管されている!?

ということで、4月1日に公表される新元号ですが、すでに候補は決まっているようです。

かなり前から有識者たちによっていつくかの案が出され、その元号候補は金庫の中に大切に保管されているようです。

ただ、万が一、その候補の一つを提案した専門家がお亡くなりになられた場合は「縁起が悪い」ということで、その案は廃棄されるといいます。

そもそも元号って何のためにあるの?

ところで「元号って何のためにあるの? 西暦だけで問題ないよね?」そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

私はこう考えます。元号とは、あんなことやこんなことを「リセット」するためのシステム。そして時が無限でないことを知り、過去を懐かしむための装置でも。

何しろ歴代最長64年(実際は62年と2週間)も続いた「昭和」も「平成」に入った途端、リセットされて元年スタート。

その後31年続いた「平成」も今年4月でリセット。5月からはまた「元年」としてリスタート。一から年を刻むことになります。

事実、歴史を振り返ると元号は、天災に疫病の流行など大きな災いを機に改められることがほとんどでした。

つまり、進んだ時を「元年」として巻き戻し災いをもリセット、明日からの平穏を願う厄払い的な意味が、かつては込められていたのではないでしょうか。

「え? でも元号って天皇陛下の在位中は勝手に変えられないんじゃないの!?」

元号トリビア①【元号はころころ変わっていた!?】

実は天皇の在位中、元号が変更できない、という現在の「一世一元」制度がスタートしたのは、明治以降のことで、それ以前、元号はころころ変わっていました。

そもそも日本の元号政制度がスタートしたのは飛鳥時代の「大化(645~650年)」から。

以降、天皇が90代になるのに対して、元号は247も存在することからも改元がいかに頻繁に行なわれたことがうかがえます。

中には一代の天皇で、8つの元号が使われたという記録もあります。

ではここでクエスチョン!

「元号」制度が始まって以来、平均するとこれまでに「元号」は何年に一度変更されたことになるでしょうか?

正解は、およそ5年に一度

なんと、5年に一度ですよ。超短期的スパンで元号が変わったことになるのです!

元号トリビア②【歴代元号の最短記録は2か月】

ということで平均すると5年に一度の改元と、かつてはころころ変わっていた元号。中でも驚くのが、歴代の最短記録です。

最も短かった元号は、暦仁(りゃくにん)で、なんと74日間というマッハぶり。わずか2か月と14日。ちなみに鎌倉時代に存在した元号です。

改元の理由は、公文書には天災と記されているようですが、公家の日記などを編集した『百錬抄(ひゃくれんしょう)』という歴史書によると「暦仁(りゃくにん)」という漢字が「略人」、つまり「人が略されていなくなってしまう」ことを連想させて不吉であるという風評が広がり改元されたとの記述もあるようです。

元号トリビア③【珍しい生き物の発見で元号が変わった!?】

元号を変える理由として最も多かったのが、天災などの大きな災いキッカケ。ただ、中には「え、こんなことで!?」というような残念な理由で元号が変わったこともあります。

その一つが、ある珍しい生き物の発見!

それは、「スッポン」

奈良時代、甲羅に「北斗七星」の模様がある超レアなスッポンが天皇に献上されました。

すると「これは天から授かった吉兆である」と喜ばれた天皇は、元号を「霊亀」に改めたといいます。

ゆかりの品も現存します。1200年以上の歴史を誇る奈良・東大寺。

その傍らに佇む正倉院(しょうそういん)には、その時、献上されたスッポンをモデルにした石像が今でも保存されています。

ちなみに奈良時代には、なんと4回も「珍しい亀」をきっかけに元号が変更されていた、というから驚きです。当時、亀がどれだけ縁起ものだったかがうかがえます。

とはいえ亀で元号が変わるとは。

今で言うと、上野動物園のジャイアントパンダの赤ちゃんが生まれたからといって元号が変わるようなもので、そうなると新元号はやはりこうなってしまうのでしょうか。

「平成」から「シャンシャン」へ。

そんなことになったらどうしよう。なにしろ日付を読み上げ辛いです。

「シャンシャン元年5月1日」

まあ。そんなことになることはないと思うので、無駄な心配は必要ないでしょうけど。

ちなみに奈良時代には〝美肌効果〟が改元のキッカケになった例もあります。

そこは、岐阜県「養老の滝」の一角に湧き出る「菊水霊泉」という泉。

ある日、美貌の女帝と呼ばれた第44代「元正(げんしょう)」天皇がその地を訪れて、湧き水を飲んだところ「美肌つるつる」と大絶賛。感動のあまり、その地にちなんで「養老」に改元したといいます。

他にも縁起の良い雲の出現がキッカケで「慶雲(けいうん)」という元号が誕生したりしているので、奈良時代はきっと改元ブームだったのかもしれません。

元号トリビア④【「明治」はくじ引きによって決められた!?】

意外な改元の理由の他、意外な「元号」の決め方も過去にはありました。

それが、「明治」

知ってましたか。「明治」がくじ引きで決められたことを。

慶応四年(明治元年)9月、宮中賢所(かしどころ)において、いくつかの元号候補の中から、明治天皇御自ら、くじを引いて御選出されました。

このエピソードは、明治神宮のホームページ(Q&A;)に記載されています。

とはいえ、『くじ引き』って現代のようにカジュアルなものではなく、当時は神の意思を問うための重大な神事というイメージが強かったわけで、想像よりずっと厳粛な作業だったようです。

元号トリビア⑤【四文字の元号が存在した!?】

皆さん、元号って2文字だと思い込んでいませんか?

しかし歴史を振り返ると、そうじゃなかった時期もあります。奈良時代にはなんと4文字の元号が5つも存在したのです。それがこちら!

つまり元号は、2文字である必要はないのです。事実、元号を制定するための元号法という法律が昭和54年に制定され現存しますが、ここにも文字数に関する規定はありません。

じゃあ、何文字でもありなのか。「高輪ゲートウェイ」のようにカタカナが入ってもいいのか。キラキラ元号でも大丈夫なのか? というと、答えはNO。

元号法の制定と共に草案された「元号選定手続きについて」という、いわば元号を決める際のガイドラインには以下のように記されています。

最後の『俗用(ぞくよう)されていないこと』とは、人名や地名・企業名などに使用されていないことを指します。

ちなみに、このガイドラインが決まる前の元号である『昭和』が決まった時には日本中に衝撃が走ったと言います。

なぜか?

その理由は、『昭和』の『昭』という漢字を知る人はほとんどいなかったから。

『照』という漢字は誰もが知っていたが、そこから〝点〟を取った『昭』を知る人はほとんどいなかったのです。

今でこそ誰もが知る『昭』という漢字は実は大正時代までは知名度が低かったようです。

とはいえ、その後にできたガイドラインに『書きやすいこと』や『読みやすいこと』という内容が加えられたので、今回はそうした知名度の低い漢字が使用されることはないと思われます。

そしてもちろん文字数も漢字二文字で間違いないでしょうね。

元号トリビア⑥【元号は日本のみの制度】

さて。そもそも元号制度発祥の地は中国であり、紀元前に誕生。以降ベトナムや朝鮮半島なども元号を取り入れた時期がありましたが、現在「元号制度」を採用している国は日本のみになります。

もはや、「一世一元」制度の導入で、天災があったからと改元することは不可能で、災いをリセットする、という厄払い的な意味は薄れ、その存在価値を問う声もありますが、はじまりがあれば終りもある、という日本的な情緒を想起させる装置として元号の必要性を個人的には強く感じます。

「昭和っぽさ」や「平成っぽさ」という時代の空気を一括りにしてアーカイブ「あの頃はああだったよね」と懐かしみ、振り返ることができるのも元号のおかげ。

もちろんそんな郷愁を誘う装置である一方、改元によって生まれる「元年スタート」は心機一転という〝ポジティブ〟の創出にも欠かせません。

うん。やっぱり〝元号〟って素晴らしい。

さよなら、平成。そしてありがとう、平成。

さあ。次に誕生する元号は我々をどんな世界に導いてくれるのか。楽しみです。

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参考

・元号 全247総覧 (悟空出版)

・Eテレ『知恵泉』

・NHK『政治マガジン』

・テレビ朝日 『池上彰のニュースそうだったのか!! 実は知らない「新年」「お金」「皇室」SP』

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