ブラックすぎる!? おかしな設定やギャグが衝撃的な教育番組「カリキュラマシーン」

ブラックすぎる!? おかしな設定やギャグが衝撃的な教育番組「カリキュラマシーン」

「懐かしテレビほの字組~町あかりの昭和テレビ再発見!~」第十一回

1991(平成3)年生まれのシンガー・ソングライターの町あかりが、皆さまから「昭和のテレビ番組」のオススメ情報をいただき、実際に観てみよう!という連載企画「懐かしテレビほの字組」。2019年、最初に取り上げる番組は、日本テレビ系の教育番組「カリキュラマシーン」です。

私事ではありますが、昨年末から「じゃじゃじゃじゃ~ン!」(フジテレビ系)という子ども番組に“うたのお姉さん”として出演することになりました。まるでそれを予知したかのように、読者の方から昭和の子ども番組の情報メールが! なんというタイミング(出演告知前に届いていたんです)。

10月から始まったばかりの「じゃじゃじゃじゃ~ン!」のスタッフには、「ウゴウゴルーガ」(1992~94年/フジテレビ系)を担当されていた方もいるということで、参考に「ウゴウゴルーガ」も見てみたのですが、こんなにアーティスティックで奇天烈な子ども番組があったなんて…。衝撃でした。かと思えば、そこからさらに20年前にもおかしな子ども番組が! さらに衝撃! というわけでDVD化もされている「カリキュラマシーン」をワクワクしながら観てみました。

番組名は「カリキュラムを、テレビというマシーンで表現する」という造語からきているそう。就学前~小学1年生くらいのレベルで「ひらがな」や「数」の学習ができる内容になっています。助詞の「くっつきの“はをへ”」をコント仕立てで説明したり、「◯◯◯の数だけタイルを置こう♪」の歌に合わせていろんな物を数えたり…。

と、こう書けば普通の教育番組なのですが、それらすべてにおかしな設定やギャグが挟まっているんです…。バスが谷底へ落ちてしまい、バスガイドが「天国への“へ”は、くっつきの“へ”でございま~す」と説明したり(ブラックすぎる)、スナックで客と店員が揉めて、通りがかりの船乗りが客を殴ってこらしめたりとか(子ども向け…?)。他にもビールをぶちまけたり、数のタイルを食べちゃったり、鉛筆の削りカスを食べちゃったり(えっ?)、いちいちツッコミたくなる要素がたっぷり詰まっています。

私が好きなのは、銀行強盗が「おめでとうございます! あなたが1万人目の銀行強盗です!」と言われた途端、くす玉が割れ、祝福されながら金庫の鍵をプレゼントされるというコント(笑)。お金の入った袋を使った引き算の学習のはずなのですが、ぶっ飛びすぎていてそんなことはどっかにいっちゃいます。

例えば、NHK「おかあさんといっしょ」が「良い子」だとしたら、こちらの番組は「ちょっとヤンチャ」という印象です。当時の子どもたちが「カリキュラマシーン」を観ながらゲラゲラ笑っている様子が想像できます。だけど親はヒヤヒヤですね。鉛筆の削りカスを食べられたら困るし…。意外にも、日本版「セサミストリート」を目指して作られた…らしいのですが、う~ん?

しかしこの番組ヤバいのが、出演陣! 宍戸錠さん、藤村俊二さん、吉田日出子さんなど、「なんでココに!?」と思うような豪華俳優が登場します。ところどころで出てくる桜田淳子さんやフォーリーブスも超キュートで癒やされるんです。これが「セサミストリート」でいうところの、エルモやビッグバードってこと?(違うような…) 私が見た限りでは歌のお姉さん、お兄さんみたいな人は出てこず、あと子どもも出てこないんですよね。大人の演者が変な設定でただただコントをする…という、子ども番組にしては珍しいと思われる、不思議な構成になっています。

音楽担当は作曲家の宮川泰先生。オープニング曲「カリキュラマシーンのテーマ」もただ面白いだけじゃなくて超カッコイイ! 聴き応えがあります。余談ですが、この曲を歌っている「西六郷少年少女合唱団」という団名を見て東京都大田区出身の私はビックリ。西六郷という地名、聞きなじみがありすぎます…。母に聞いてみたところ「当時から全国的に有名だったよ」とのこと。エーーッ! そうなの? みんな知ってますか? どうやら西六郷小学校の鎌田先生という方が設立した少年合唱団で、NHK「みんなのうた」などで有名になったとか。ただの町工場が並ぶ地域なんですけど…、初めて知りました。

私が小さい頃は「ポンキッキーズ」(第1期・1993~2001年/フジテレビ系)や「ハッチポッチステーション」(1995~2005年/NHK)などが好きで、よく観ていましたが、とてもオシャレでしたよね。こんなブラックユーモアのある子ども番組って、あったかなあ? 小さい頃にこういうの観ると育ち方に何かしら影響あるのかな? もしかしてこれを観ていた現在50歳前後の方はけっこうヤンチャだったりする? 該当する方は教えてくださいね。

さて! こちらの連載では、読者の皆さまからオススメの「昭和のテレビ番組」を引き続き大募集しています。現在でも、DVDや再放送、動画配信サイトなどで観られる番組を教えていただけますと幸いです!

【オススメの「昭和のテレビ番組」募集中!】


町あかりさんに見せたい昭和のテレビ番組を募集します!
番組名、見せたい理由、見せたいシーンを書いて、下記アドレスまでご応募ください。抽選で、町あかりさんのアルバム「EXPO町あかり」を7名様にプレゼントいたします。
machi-honoji@tokyonews.co.jp

町あかり


シンガー・ソングライター。作詞・作曲、編曲、イラスト、衣装制作まで自身で行う。2017年ビクターエンタテインメントからメジャー3rdアルバム「EXPO町あかり」をリリース。現在、4thアルバム「収穫祭!」が発売中。他の歌手への楽曲提供も行う。文鳥を溺愛中。

町あかりオフィシャルブログ
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