扶桑社の男性誌「週刊SPA!」が特集記事(2018年12月25日号)で女子学生が通う大学を性的にランク付けした記事を掲載。名指しされた各大学が9日までにホームページに声明を発表するなど同社に抗議した。同誌編集部はすでに謝罪コメントを発表、「大学におわびする前提で対応を協議している」としている。なぜこのような状況が起きたのか。
「親密」が「扇情的」な表現に
法政大は9日、田中優子総長の名前で「本学女子学生を含む女性の名誉と尊厳を貶める記事が掲載されました。その内容は、該当する大学学生の安全を著しく脅かすものでもあります。週刊誌編集部に、再発防止を求める厳重な申し入れををおこないました」などとコメント。中央大も「本学の女子学生のみならず広く若者の尊厳を損ない安全を脅かす。出版社が重く受け止めるよう要望します」との見解をホームページでそれぞれ掲載した。
大妻女子大、実践女子大、フェリス女学院大も9日までに「女性の名誉と尊厳を傷つける」「女性軽視、女性蔑視」として抗議を表明した。
問題の特集記事は「ヤレる女子大学生RANKING」というランキング表を大学の実名入りで掲載した。この表について「女性差別、蔑視」とネットで怒りの声が高まり、謝罪などを求める署名活動に多くの賛同が集まった。
共同通信は1月7日の配信記事で「『より親密になれる』『親密になりやすい』と表記すべきだったが、読者に訴求したいがために扇情的な表現を行ってしまった」とする編集長の釈明を掲載。「読者の気分を害する可能性のある特集になった」とのコメントも載せた。
「週刊SPA!」は1988年創刊の雑誌。今回はSNSで急激に話題となり、あからさまに記事に不快感を示すツィートなどが次々と投稿された。大学がホームページなどで抗議、各メディアが報じることになった。
(共同通信=柴田友明)