1回充電で570キロ 日産新型リーフ、質疑なし異例発表

 日産自動車は9日、電気自動車(EV)「リーフ」の高性能モデルの発表会を横浜市西区のグローバル本社で開いた。23日から国内で発売する。1回の充電で走行できる距離を現行モデルの約40%増と大幅に伸ばし、高速走行時の加速性能も進化させた。希望小売価格は416万2320円から。欧米でも今春以降に売り出す予定だ。

 前会長カルロス・ゴーン容疑者の逮捕後の混乱を受け、発表会を11月から延期していた。今回はダニエレ・スキラッチ副社長と星野朝子専務執行役員(日本事業担当)が登壇したが、質疑を受け付けない異例の対応となった。

 高性能モデルは「リーフe+(イープラス)」と名付けられ、2017年発売の2代目リーフの追加車種となる。1回の充電で走行できる距離が現行モデルの約40%増となる最長570キロ(より実燃費に近いモードでの計測値は同458キロ)に伸びた。時速80キロから100キロへの加速時間を約15%短縮した。

 搭載するリチウムイオン電池の容量を55%増やし、総電力量62キロワット時とした。電池の構造を見直し、室内の広さは変えずに力強い走りを実現したのが特長で、スキラッチ副社長は「日産はEVのパイオニア。リーダーとしての地位を堅持したい」と述べた。

航続距離や加速性能が向上したEV「リーフe+」を発表する日産自動車のスキラッチ副社長(右)と星野専務執行役員=横浜市西区

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