20件の返信に80件の“反撃”―現役MLB右腕がSNSで大学生に「嫌がらせ」!?

インディアンスのトレバー・バウアー【写真:Getty Images】

インディアンスのお騒がせ男バウアーがまたも“炎上”、米全国紙が伝える

 オフに入ってからも、自身のSNSで積極的な情報発信を続けているインディアンスのトレバー・バウアー投手。だが、米全国紙「USAトゥデー」は「ある大学生がトレバー・バウアーからのツイッターでのハラスメント被害を告白」と題し、昨季12勝6敗、防御率2.21という好成績を残した右腕がツイッターで騒動を起こしたことを伝えている。

 バウアーは昨季初めてオールスターに出場し、サイ・ヤング賞投票でも6位に入るなど、MLBを代表するピッチャーに成長を遂げた。熱心なツイッター活動でも知られ、これまでも「アストロズ投手陣が松ヤニを使っているに違いない!」との疑惑や、独自のスタッツで「今季のサイ・ヤング賞を取るべきだったのは自分」などのユニークな投稿を行い、投手とツイッターの“二刀流”として話題をさらっていた。

 今回、バウアーの標的になったのはテキサス州立大の学生、ニッキー・ジャイルズさん。インディアンスの公式Facebookページに、バウアーとバウアーのフォロワーから受けた“被害”を告白した。「USAトゥデー」の取材に対し、「(この嫌がらせのせいで)ここ3日間は最悪でした。毎日泣いていて、泣きながら家族に電話していました」と涙ながらに訴えた。

 バウアーは一体何をしたのか。この一連の炎上劇は土曜日の夜、アレックス・ブレグマンの「君は今年のプレーオフで本当に素晴らしい活躍(笑)をしたよね!」という皮肉めいたツイートに対し、バウアーが「君より優れていると認めてくれてありがとう!」という返信をしたところから始まったという。お気に入りの選手であるブレグマンと、バウアーのこのやり取りにジャイルズさんは冗談めかしてこのようにツイートした。

「すべてのスポーツ選手の中で、バウアーが一番嫌いになったわ!」

 すると、バウアーが「僕のファンクラブにようこそ!」と反応。この後、いくつかやり取りが続いたが、両者ともに冗談を言い合っており、ここまでは何ら問題はなかった。しかし、ジャイルズさんが、バウアーがワールドシリーズのチャンピオンリングを持っていない、と煽るような返信をしたことが、怒りを呼んでしまったようだ。

ジャイルズさんが20件の返信に対して、バウアーはその4倍となる80件返信

「彼は私のツイッターページに入って、1年ほど前まで遡り、私が21歳の誕生日を迎える2か月前に飲酒する内容のツイッターを見つけました。そして、彼は彼のフォロワーにそれを見せびらかしたのです」

「私が彼にツイートし続けていることを、彼は責めてきました。でも、彼が40回以上も私に返信してきたから、仕方のないことです」

 ジャイルズさんは、同紙の取材に対してこのように話している。さらに、バウアーはジャイルズさんが大学では扇動者だった、とも批判している。

 ジャイルズさんはバウアーをブロックしたが、その間も非難ツイートは続いたという。30件以上のバウアーからの返信があることを知ったジャイルズさんは、いったんブロックを解除し「私は嫌がらせを受けている」と告白。ところが、バウアーは自分のフォロワーに対して「彼女は自分に好意を寄せているのだと思う」という説明を繰り返していた。

 記事によると、8日(日本時間9日)までにジャイルズさんが20件の返信をしたのに対して、バウアーはその4倍となる80件の返信をしたという。そして、7日(同8日)にバウアーが「自分にとらわれている人がいるけれど、ツイッターにはこのような機能があるよ!」と、ジャイルズのアカウントをブロックする動画を投稿。これでこの一連の嫌がらせ劇は終末を迎えたかのように見えた。

 しかし、まだ終わってはいなかった。より危険なのは彼のフォロワーの何人かの方だ、とジャイルズさんは同紙で語る。「DM(ダイレクトメッセージ)でお前の負けだ、などというしつこい嫌がらせをしてくる人もいる。ある人は3つも新しいアカウントを作って攻撃してきた」と嘆いた。

 バウアーが所属するインディアンスの広報担当ジョエル・ウルフは、この件に関してのコメントを控えているという。SNSが発展し、ファンとプロスポーツ選手の距離が縮まっている現代ならではの“事件”となってしまった。(Full-Count編集部)

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