新日鉄住金は9日、鉄鋼材料を中心に同社グループの技術力を結集した次世代自動車の構造コンセプトを考案したと発表した。従来比で30%の軽量化が可能な鋼製車体構造や電動車のバッテリー構造など未来の車に求められる総合的なソリューションを提案する。電動化や自動化など車産業の大変革期をビジネスチャンスと捉え、既存顧客だけでなく車づくりに新規参入する電機やIT企業にも総合力をアピールする。次世代車開発を後押しし車向け事業の一段の強化につなぐ。
構築したのは「エヌ・セーフ オート・コンセプト」。薄板や棒線など車関連品種を横断する統一コンセプトとし営業活動に生かす。2ギガパスカル級のホットスタンプ用鋼板や電動車向け鉄製バッテリー構造など開発中の技術も盛り込んだ。素材だけでなく素材性能を引き出す部品構造や加工技術も組み合わせた総合ソリューションを提案する。
具体的な提案内容の一つが車体の30%軽量化。ハイテンなど鉄鋼材料だけを用いて、いわゆる「オールアルミ車」相当の軽さを実現する。30%は海外自動車大手の15年モデルと比べた数値。
さらに30%超の軽量化も提案。チタンや子会社の日鉄ケミカル&マテリアルのCFRPを活用し鉄主体のマルチマテリアル化で軽さを追求する。
来週16日に都内で開幕する「オートモーティブワールド」で同コンセプトを適用した自動車を初披露する。