ロッテドラ1藤原“赤バット”で鋭いスイング披露 「まだまだ高校生レベル」

“赤バット”を使用しティー打撃に励むロッテのドラフト1位・藤原恭大【写真:荒川祐史】

苦手な長距離走では終盤に追い上げ「さすがにビリはダメだなと思ったので」

 ロッテのドラフト1位ルーキー・藤原恭大外野手が10日、埼玉・ロッテ浦和球場で行われた新人合同自主トレから、プロとしてのキャリアをスタートさせた。

 厳しい寒さの中、集まった多くのファンと報道陣の前に姿を現した藤原。グラウンドで午前9時から始まった新人合同自主トレ初日。昼食後は室内のトレーニングルームに場所を移し、午後3時までしっかり体を動かした。

「練習メニューもそうですが、やったことがないことばかりで、体にも少しこたえた1日でした」と、練習後に振り返った。事前に苦手だと語っていた12分間の長距離走で、終盤追い上げ上位に食い込み「いつもより頑張って走りました。(井口監督の前で)さすがにビリはダメだなと思ったので」と、視察に訪れていた井口監督にその存在感をアピールしていた。

 約50人の報道陣がその一挙手一投足に注目する中で行われたティー打撃では、自主トレから使用している真っ赤なバットで登場。ひときわ目を引く鮮やかな赤なのだが、実は試合用ではなく“トレーニング用のバット”。試合用は880グラム~890グラムのものを用意しているが、このトレーニング用のバットはそれより70グラム重いものを使っている。

「スイングする力もそうですが、自分はまだまだ高校生レベルだと思っているので、プロのレベルに少しでも早く行けるように」と、重いバットの使用理由を語り、このバットを自主トレ期間の“友”として継続的に使っていくを明かした。

井口監督が「横一線」と語る2019年レギュラー争い

「去年の11月くらいにメーカーのバット工場に行って、握った感触でいいものを選びました」と、実際に握ったフィーリングで自分にフィットしたバットの型を選び、見た目はグリップが太く見えるが実際には「色のせいで太く見えるだけで、細めに作ってもらった」とのこと。

 メーカーの担当者によると、アマチュアからプロに移行する選手に提示するバットのプロトタイプモデルがいくつかあり、その中から選んだ型のものを削って作ったもので、特定選手のモデルバットではないという。

 ロッテを代表するバッターといえば、昨シーズン2000安打を達成した「幕張の安打製造器」福浦和也内野手がいるが、打者転向当初は、清原モデルやイチローモデルなど、様々なバットを試して横浜(現DeNA)・鈴木尚典氏モデルの握った感じがフィットし、自身のバットが定まったという。

 キャンプ初日の2月1日に紅白戦を予定している今季のロッテ。「新人には無理はさせない」と井口監督は語っていたが、自らが「横一線」と語る2019年レギュラー争い。昨年のドラフトで3球団に指名されたゴールデンルーキーがどこまで食い込んでくるのか。さらに周囲から注目の集めるドラ1ルーキーのバットが、今後どう変わっていくかにも注目したい。(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

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