子ども食堂を支援へ 連合長崎 組合員が米600キロ提供

 連合長崎(宮崎辰弥会長)は地域の子どもらに温かい食事や居場所を提供する「子ども食堂」の支援に乗り出す。組合員らがつくった米約600キロを県内の食堂などに提供する予定で、宮崎会長は「今後は子どもたちに田植えや稲刈りにも参加してもらって交流を深めたい」としている。
 県内の運営団体でつくる「ながさき子ども食堂ネットワーク」によると、県内では長崎や佐世保、島原各市などに少なくとも23カ所の食堂がある。個人やNPO法人などが運営しており、運営費や食材確保が課題となっている。以前は子どもの貧困対策というイメージが強かったが、大人も受け入れる食堂が増加。地域交流の場としての役割が強まっているという。
 連合長崎は、1997年から毎年、組合員が田植えや稲刈りをした米をアジアやアフリカに送る活動を展開。国内でも「子どもの7人に1人が貧困」とされていることから、県内の食堂への支援を決めた。
 本年度は組合員らがつくったり加盟労組などからのカンパで買ったりした米約3千キロを提供。子ども食堂5カ所のほか、カンボジアやマリ共和国にも送る。
 10日には長崎市内で支援米の発送式があり、宮崎会長が食堂関係者に米を手渡した。提供を受ける大村子ども食堂実行委は毎月、市内の公民館や教会で家族連れなど約100人にカレーなどを振る舞っている。実行委の田崎裕隆代表は「支援団体がなかったり毎週食事を提供していたりする食堂は運営が大変だと思う。こういった食材の提供はありがたい」と話した。

大村子ども食堂の関係者に米を手渡す宮崎会長(左)=長崎市役所西側広場

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