多文化社会を可視化 外国籍の子らが写真展 横浜で20日まで

 外国にルーツを持つ中高生に表現の場を設けようと企画された写真展が12日、横浜市中区の象の鼻テラスで始まる。10代を中心に13人が風景や人物などを捉えながら自身を表現した作品が並ぶ。20日まで。

 中国、台湾、フィリピン、ガーナ、アメリカなどにつながる外国籍や国際結婚の家庭の子どもたちが約4カ月のワークショップを重ね作品を仕上げた。

 展示作品は33点。大勢の人でにぎわう横浜港大さん橋国際客船ターミナルのスナップや竜の形をした雲の写真などが並ぶ。青空を背景に赤い花を切り取ったカットには「下から目線」とのタイトルが付けられ、愛くるしい母子を撮影した写真もある。

 フォトジャーナリストの大藪順子さん(47)=同市神奈川区=が「写真で自己表現の枠を広げるとともに、多文化社会を内側から可視化できれば」と企画し、3回目。主催者は「思いがこもった作品が多く、日本社会における彼らの存在を知ってもらいたい」と来場を呼び掛けている。

 大藪さんは昨年2月、行政や企業から支援が受けやすいように、市民団体「Picture This Japan(ピクチャー・ディス・ジャパン)」を発足。同団体メンバーを含む外国につながる大人7人もボランティアで運営を支える。

 入場無料。午前10時~午後6時(最終日は午後4時まで)。初日は午後4時半から出展した子どもたちが写真の意図を説明する。

ワークショップで撮影する出展者たち=横浜市中区

© 株式会社神奈川新聞社