フェラーリ副会長、技術部門トップをチーム代表に選んだ理由を語る「技術面の安定が最も重要だった」

 フェラーリの創設者エンツォ・フェラーリの息子で、現在同社の副会長を務めるピエロ・フェラーリが、スクーデリア・フェラーリのチーム代表交代という決断について語った。

 7日、フェラーリは代表マウリツィオ・アリバベーネがチームを去り、チーフテクニカルオフィサーを務めてきたマッティア・ビノットが即時その座を引き継ぐと発表した。

 2018年にフェラーリは非常に優れたマシンを作りながら、チームとセバスチャン・ベッテルがたびたびミスを犯した結果、再びメルセデスに敗れ、ランキング2位に終わった。

 アリバベーネのリーダーシップを疑問視する声が上がり、彼とビノットとの確執もあり、代表交代は予想された事態ではあったが、この組織再編において重要な役割を果たしたといわれるピエロ・フェラーリは、2018年のクリスマス前には決定が下されていたと明かした。

「クリスマス前にすべてのことが起こったのだが、さまざまな理由から(1月7日までは)この決定を発表しないことに決めた」と彼はLa Gazzetta dello Sportのインタビューにおいて語った。

「詳細について語るつもりはない。私は株主の立場で物を言うしかないからだ。だがひとつ言えるのは、我々メンバーの間で意見の対立があったものの、最終的にフェラーリの利益のみを考えて行動したということだ」

 エンジニアをチーム代表の座につけるという判断について、フェラーリは次のように語っている。

「我々が考慮した最も重要なことは、フェラーリのレース部門において技術面の継続性を維持することだ」

「マッティア・ビノットの優れた能力に頼ることが、強力なチームを築くための基礎となる」

 2018年7月、フィアット・クライスラー・オートモービルズおよびフェラーリのCEOを務めたセルジオ・マルキオンネが死去。フェラーリCEOの座をフィリップモリス元会長のルイス・カミッレーリが引き継いだ。カミッレーリも大きなプレッシャーにさらされることになるものの、ピエロ・フェラーリは、時間をかけて彼の仕事ぶりを見ていくと述べた。

「彼には十分な時間を与える必要がある」とフェラーリ。
「彼のスタイルはマルキオンネとはかなり異なっており、極めて独特だ」

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