氏子ら勇壮に「畳破り」 諫早・楠公神社

 上半身裸の男たちが畳を引きちぎり、わらを体にこすり付け合う奇祭「楠公祭(なんこうさい)(畳破り)」が13日、諫早市白浜町の楠公神社であった。約40人の氏子らが雄たけびを上げて体を激しくぶつけ合い、一年の無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を祈願した。
 約250年以上続く伝統行事で、白浜町自治会(酉越(とりごし)和則会長)が毎年開いている。同神社は南北朝時代の武将楠木正成(くすのきまさしげ)・正行(まさつら)親子と、鎌倉幕府を開いた源氏の氏神「八幡神」を合祀(ごうし)。畳破りは、楠木勢と鎌倉幕府が戦った「千早城の戦い」(1333年)を再現しているとされる。
 大勢の市民が見守る中、1枚の畳を盾に楠木勢が立てこもる拝殿に、わらを持った幕府勢がなだれ込み、入り乱れて激戦を展開した。参加した白浜町の会社員、早田銑市(せんいち)さん(50)は「畳破りで地域が一つになり、ようやく一年が始まった感じ」と話した。
 祭りの様子は2月23日正午からNBC長崎放送のテレビ番組で紹介される予定。

わらを互いの体にこすり付け合う氏子たち=諫早市、楠公神社

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