長崎市の鳥は

 長崎市が市制130年を記念して今春新たに市の鳥を制定する。現在、市民がシンボルとして愛着を持てるような鳥を募集中だ▲投票の参考にと、6種類の鳥を例示している。平和の象徴ハト、身近な野鳥であるメジロやイソヒヨドリ、長崎港の別名・鶴の港にちなんだツル、水族館でおなじみのペンギンなど、これだけを見てもどれを選ぶか悩みそうだ▲県内では21市町のうち6市町が市の鳥や町の鳥を定めている。例えば、五島、壱岐、新上五島の3市町はいずれもメジロだ。島に自生するツバキが満開を迎えるこれからの時季には、花の蜜を吸う愛らしい姿が島民の目を楽しませることだろう▲県の鳥はオシドリ。冬鳥として県内各地の水辺に飛来するカモの一種で、華やかな色彩のオスはカモ類の中では群を抜いて美しい▲だが、自分が住む自治体のシンボルとなっている鳥を知っている人はどれくらいいるだろう。オシドリを実際に見たことのある県民は多くないかもしれない。その確認数は、生息環境の変化に伴って、毎年かなり変動しているのだが▲わがまちの鳥に関心を持てば、わがまちの自然環境の変化にも気付く。長崎市民ならずとも、この機会に周囲を見渡してみてはどうだろう。冬枯れの野山は見通しが良くなり、バードウオッチングには好適だ。(泉)

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