川崎市宮前区の「さぎ沼商店会」が、スマートフォンを使った決済サービス「ペイペイ」の導入を進めている。キャッシュレス化の流れに対応して購買の活性化や若者層を呼び込むことが目的。築野千明会長(77)は「顧客へのサービスとして、できることはやっていかないと」と語る。
ペイペイは店舗に張り出されたQRコードをスマートフォンで読み取り決済する仕組み。区内最大規模を誇る同商店会は昨年12月から、加盟する101店に導入を呼び掛け、うち二十数店が応じた。商店街単位でペイペイを導入するのは市内で初の試みという。
いち早くサービスを取り入れた「ひるた眼鏡店」の蛭田浩章さん(56)は「パスモ(交通系ICカード)も今は高齢者を含めて必要不可欠なものとなった。時代がそういう流れ。若者へのアピールにもなる」と効果を見込んでいる。
課題は認知度の低さで、同店での利用はまだないという。ペイペイの運営会社は、当面は手数料が掛からない特典を設けて利用者の拡大を目指している。築野会長は「各店舗には商品への深い知識とノウハウがある。店とお客さんがつながるきっかけとなってほしい」と期待を寄せた。
同商店会では31日まで、ペイペイを利用した顧客に、オリジナルトートバッグや加盟店提供の景品をプレゼントするキャンペーンを実施している。